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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 57


ビリビリビリ・・・!ブチブチブチ・・・!

服が破け、拘束していた縄が千切れる。
女性らしいやわらかそうな身体は筋肉で盛り上がり、絹のような肌は赤黒く変色していく。
見れば羽樹たちだけではない。
そこかしこでウエイトレスたちがうめき声を上げ、服を破りながらその身体を異形化させていく。
目の前の信じられない光景に集まった人間やトカゲ、ヘビたちは誰1人動くことができない。
当然だ。彼らは彼女らを無力な人間だと聞いてさらいに来たのだ。
きっと彼らの頭の中には、ウエイトレスたちを一方的にいたぶり、陵辱し、好き勝手にする支配者の姿を思い描いていたに違いない。
その実、一方的にいたぶられるのは自分たちのほうだとは夢にすら思わずに。

「う、うわあぁぁああッ!?」

そんな中、ショック状態から恐慌状態に陥った人間の1人が持っていた銃器を矛先をウエイトレスたちに向ける。
それにつられて他の人間たちも次々と銃器を構える。
そしてその指が銃の引き金を引いたその時だった。

ボンッ!ボンッ!ボボボボボボンッ!!

突然銃器が暴発し、次々と悲鳴と断末魔のBGMが上がる。
生き残った人間やトカゲが壊れた銃器を見ると、そこには鳥にしては大きすぎる巨大な羽根が落ちている。

「・・・遅い」

ボソッとつぶやかれた言葉に顔を上げると、そのうちの何人かが銃器と同じように、羽根を額にうがたれ絶命した。
その先には4枚の大きな羽根を広げた鳥人の姿があった。

「く、くそおっ!?・・・ぐべっ!?」

破れかぶれになってトカゲ人間が突っ込もうとした瞬間、何者かに足をつかまれ、盛大に転ぶ。
その正体は足から伸びる手。出てきたのは人魚を思わせる1人の女。
彼女はにこりと微笑むと、再び床の中に音もなく潜って姿を消した。
事ここにいたって、彼らはようやく理解する。
捕まったのはウエイトレスたちではなく、自分たちだということを。
だが気づいたときには全てが遅かった。
攻撃しようとすればその前に攻撃され、逃げようとすればミイラ女やイバラの鞭を使う女、土の中を泳ぐ人魚にジャマされ、拘束される。

オオォォオ・・・!!

カエル怪人の本体であるヘビたちも逃げようと試みるが、蓮たちが合体した巨大なバケモノに頭を潰され、身体を引き千切られ、次々と命を失っていった。
そう、それはまさに怪物だった。
合体した蓮たちは顔のない巨人と化し、全身に浮かび上がった無数の仮面がその場にいる全てを見続けていた。
今の彼女たちの名前は『仮面怪人』ハーメルン。
本来は4人1つになることで完全体となって力を発揮するのだが、今回は3人での合体で能力も使えない、あんな姿になったようだ。

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