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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 55

「ヒィィッ!?」

啓太の剣幕に心を大いに怯える。
剣幕と言っても怒りの大半は、オシオキSEXで消費され、実際はそれほど怖くもないのだが。
だがこうも怯えられるとどっちが悪役で犯人なんだかわからなくなってくる。

「まったく・・・この不始末は後できっちりと責任を取ってもらうから覚悟しとけよ!?」
「ははは・・・はいぃっ!?」
「・・・よし。とりあえずオレたちを地上まで案内してくれ。
 いいかげん夢の説教も終わった頃だろう。
 あんまり放っとくと、いなくなったオレ気づいて何するかわからんからな」

その推測は正しいですが、遅すぎです。
もっと夢と刀のことを考えてあげましょう。
ともかくこうして啓太たちは地上に出るべく動き始めた。
部屋の外では啓太を守るために門番となった刀が、その行く手をふさいでいるのだが。

――――

グニュン・・・ゴキュン・・・

(う〜、気持ち悪い。早く出口に着かないかなぁ〜?)

啓太が動き始めたその頃。地上でも変化が起きつつあった。
彼女の名前は日高 六実(ひだか むつみ)。
カエル怪人に捕まり、飲み込まれた女怪人である。
今、彼女は羽樹たちのところに向かうべく、カエル怪人の体内を搬送中であった。
しかし、その居心地の悪さと言ったらなかった。
生き物の体内だから仕方ないとは言え、筋肉が彼女を運ぶべく絶えず収縮を繰り返し、ねばねばする分泌液を身体に塗りたくられ続けいるのだから。

(夜月ちゃんたち、まだ無事かなぁ・・・?
 ボクだけじゃうまく逃げられないし、確認しようにもみんなとも連絡つかないし・・・。
 う〜、八方ふさがりだよう)

気持ちの悪さと打つ手のないことに泣きそうになってくると、真っ暗闇の体内に変化が訪れた。
筋肉の収縮が止まり、暗闇が裂けるように光が差し込んできたのである。
やっと出口か。六実がそう思った途端、彼女は空中に放り出され、地面に落ちていた。

ドサッ!

「あうっ!?」

落ちた衝撃に驚いて周りを見回すと、そこには同じように粘液まみれになっている仲間たちの姿が。
さらにその周囲には人間に混じって明らかに怪人と思われるトカゲ人間やよだれを垂れ流す巨大なヘビが目に入った。

「お。おーい、新しい女が届いたぞー。そっちに運んどけー」
「おう、わかったー。今度のは気の強え女だな。
 あの中を通ってまだ意識がありやがる。オラっ、こっちに来いっ!」
「きゃっ!?い、痛いッ!?」

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