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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 50

突然動き出したウエイトレスたちに、カエル怪人たちはあわてて彼女らを止めようとするも、ウルトラスナイパーの弾丸に阻まれて思うように動けない。

「くくくっ・・・♪女のケツを追っかけてる場合かよ?
 気をつけねえと、あっという間に頭が吹き飛んじまうぜ?」

圧倒的な優位に酔いしれるウルトラスナイパーは気づいていない。
彼女たちは一般人ではなく、怪人であるということに。
その時小麦粉集めや消火器を求めて走り出したウエイトレスたちが一斉に動き出す。

「「くらえッ!!」」

短い叫びとともに、消火器の中身や小麦粉などが一斉にぶちまけられる。
あっという間に視界は白く染め上げられ、外は愚かすぐそばさえもが認識できなくなる。
その瞬間、逃げ惑うだけだったウエイトレスたちが一斉に動き始めた。
非戦闘型や探査能力のない怪人たちは、頭に叩き込んだ店の間取りを元に避難したり、一般客の回収を手早く行う。
そして・・・!

「くぅぅっ・・・!」
「ンッ!ああぁ・・・ッ!?」

視覚以外の探知能力を持つ戦闘型の怪人たちが、色っぽいうめき声とともに身体を戦闘用に切り替えていく。
怪人化とは言え、以前のように完全に化け物化することはない。
女性らしさを残しつつ、正体を隠す全く新しい形にメタモルフォーゼしていく。

「ゲッ、ゲコオオォォッ!?」
「キーッ!キーッ!?」

突然の視界ゼロの世界に、カエル怪人や戦闘員たちは大いにあわてる。
どうやら彼らにはこの状況で自由に動ける手段がないようだ。

「よくも今まで好き勝手やってくれたわね・・・!?」
「キッ!?」
「死ねッ」

シュカッ・・・!

そのスキに触角を持つ昆虫怪人やビットと呼ばれる温度探知機を持つヘビ怪人、超音波を扱うコウモリ怪人などが忍び寄り、次々とノド笛を掻っ切っていく。
後は煙が晴れるまでにカエルどもを皆殺しにするだけだ・・・そう思われたその時だ。

チュインッ!

「え・・・?」

視界がゼロにも関わらず、何かが怪人ウエイトレスの頬を掠めた。
それは狙撃手ウルトラスナイパーの弾丸であった。
「くくっ・・・。煙幕で視界をさえぎろうなんて使い古された手段が通じるとでも思ったか?」

ビルの屋上からウルトラスナイパーは、ニヤニヤと余裕の笑みを浮かべながらライフルを構えた。
今、彼の目は物質ではなく温度で物を捉えている。
温度で生き物の存在を探知し、底を狙って撃っているのだ。
たださすがに動いている相手が元ウエイトレスだったとはわからなかったらしく、あのような結果になってしまったようだが。

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