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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 49

それを話すには、戦場となったファミレス『デリシャス』から少し離れたところにあるビルの屋上。
そこに向かわなければならない。
そこではライフルを構えた1人の男が立っていた。

「くくっ・・・。1匹ヒットぉ♪」

黒・黄色・白の3色で彩られたアーマーとマスクを身にまとい、純白のマフラーをたなびかせるいかにもな格好をしたヒーロー。
彼の名は『魔弾の射手』ウルトラスナイパー。
あだ名の示すとおり、遠距離射撃を得意とするヒーローの1人である。
遠距離を専門にしているため、あまり名前は知られていないがその腕は折り紙つきで、一度狙った獲物は決して外さないと言われている。
しかしその裏では黒いウワサの耐えない、いわゆるダークヒーローとしての顔も持っていた。
正義の名の下に敵を過剰に攻撃・殺戮したり、女性問題を起こしたりと数え上げればきりがない。
特に彼がダークヒーローと呼ばれているゆえんは、彼が正義の味方でありながら悪の組織とつながりを持っているというものだ。
そんなバカな、と言いたくなるようなくだらないウワサ。
しかしどんなウワサにも、真実は必ず含まれているものだった。

「いやぁ・・・あそこのウエイトレスほしさに、適当な弱小組織に情報を流してみたが、なかなかいい仕事をしてくれるもんだなぁ♪
 後は中のゴキブリどもを皆殺しにして、後輩どもに面倒事を押し付ければ、全ては完了。
 手柄も女どももオレのモノってね♪
 さぁ〜、ゴキブリども?オレのためにさっさと死んでくれよ?
 そこの美人たちの祝福がおれをまっているんだから、な♪」

ウルトラスナイパーはケラケラ笑いながらライフルを構え、次弾を放つ。
弾丸は戦闘員の頭に見事に命中、再び赤い大輪の花を咲かせた。
その頃。突然カエル怪人たちの命を奪っていく凶弾に、デリシャス内は大混乱に陥っていた。
当然だ。単純な敵組織襲撃の構図に、いきなり第三者が割り込んできたのだから。
幸い弾丸はカエル怪人と戦闘員だけに命中しているが、いつアパレントの怪人たちに向くかわからない。
ウエイトレスたちは夢の到着を待たずして、迅速な対応をとらなければならなかった。
指令を受けたウエイトレスはしばし逡巡した後、近くのウエイトレスたち数名に声をかける。

「みんな、夢さまから指令よ。奴らにバレないよう、みんなに連絡して」

夢からと聞いて目の色を変えた仲間たちは、彼女の話にしばし耳を傾ける。
そして作戦の内容を理解した仲間たちは、己が任務を全うするべく一斉に動き出した。
あるものは消火器を求めて。またあるものは小麦粉や片栗粉などをかき集め、またあるものは考えにふけるようにその場に留まり動かなくなる。

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