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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 44

しかしそんな進化を遂げた空にも弱点はあったようだ。

「はうっ!?」
「キャンッ!?」
「ああッ!?」
「へ?」

啓太が正気に戻った空たちに抱きついた瞬間、3人は短い悲鳴を上げてビクビクと痙攣する。
驚いた啓太があわてて3人から飛びのくと、3人の股間から潮が飛んでいるのが見えた。
どうやら抱きつかれた拍子にイッてしまったようである。

「あ・・・あれ?まだ薬の効果が切れてないの?何で?」

よく見れば怪力自慢の薙も、両手を縛る拘束具を外していない。
啓太は知らなかったことだが、空の回復能力は傷には有効だが毒や病気には効きが悪いという弱点があったのだ。
まぁ、普通なら死ぬような傷すら癒せるようになっておいて、さらに毒と薬に効果があるなんて都合のいい話があるわけもないか。
しかし困った。助けを呼ぼうにも出口がわからないし、自分たちをここに閉じ込めた張本人たちはすぐに目覚める気配はない。
さてどうしたものか。啓太は少し悩んだ後、おずおずと空たちに声をかけた。

「空、薙、彩夏。ゴメンね?」

3人が返事をするより早く、啓太は薙の唇を奪った。
舌を絡め、たっぷり唾液を乗せて薙の口の中を犯していく。
薙は一瞬驚いたようだったが、薬による発情と初めて主人のキスを受けた喜びで、すぐに啓太を受け入れる。
しかし当の啓太はすぐに薙から唇を離すと、空、彩夏と次々と唇を奪う。
最後のキスをされた彩夏から啓太は唇を離すと、つうっと一筋の銀糸が伸び、すぐに切れた。

「どう?少しは落ち着いた?」

いきなり怪人たちの唇を奪うという啓太らしからぬ行為。
それは性欲を発散すれば、少しは症状が落ち着くのではと思った啓太の安易な考えだった。
確かに短時間とは言え、濃厚なキスのおかげで薬の効果は心なし薄くなった。
しかしその代わりに3人の心の中で抑えていた、啓太への想いが一気にあふれ出し始めてしまった。

「・・・け、啓太殿。
 た、確かに薬の効果は薄れたようでござるが・・・。  こ、これは・・・さすがにちょっと卑怯でござる・・・」
「へ?卑怯?」
「こ、ここのところ仕事ばかりで・・・ずっとガマンしていたのに・・・っ。
 あんなキスをされちゃったら・・・っ!」
「ご、ごめんなさいっ、啓太様!私たち、もう限界ですぅっ!」
「おわっ!?な、何々!?いったいどうしたんだ、おまいらっ!?」

自分のしたことに気づかない啓太をよそに、3人は一斉に啓太の身体にのしかかる。
今まで仕事で忙殺されてきた啓太への想いをぶつけるように、3人同時のトリプルキスを啓太にお見舞いする。
さすがにこの人数では舌を絡めあうことはできないが、鳥のように唇をついばんだり舌で舐めたりと必死になってキスを繰り返す。
そこにいたって啓太はようやく自分の安易な行動が引き起こした結果を理解した。

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