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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 313

クロックとエレメンタル・ガーディアンの4人だ。
彼女らは残存勢力の回収のためにたまたまここに来ていたのだが・・・。
啓太を見るなり4人の表情が見る見るうちに変わっていった。

「啓太様っ!?なぜあなたがここにおられるのです!?
 基地で休まれていたのではなかったのですか!?」
「こんなときにのんびり寝ていられるかっ!
 それより戦いはどうなった!?あの死体の山は何だ!?
 みんな無事でいるんだろうな!?」

驚き詰め寄るクロックに負けない勢いで、啓太もクロックを問い詰める。
そんな啓太にエレメンタル・ガーディアンの3人が、啓太の身を案じながら質問に答えた。

「お、落ち着いてください、啓太様!
 敵なら先ほど、すべて我々アパレント・アトムが撃退いたしました!」
「我々は啓太様のお言いつけどおり、誰も殺しておりませんし、死んでおりません!」
「死んでなければそれでいいってわけじゃないっ!
 それに殺してないとか言いながら、あの死体の山は何なんだっ!」
「あ、あれは我々が捕らえた捕虜の山ですっ!
 あんまり数が多かったんであんな乱雑な扱いになってますけど、ちゃんと生きてますって!」

つばを飛ばすほどに興奮した啓太を抑えながら、マヤ・マリア・マイの3人は必死に啓太をなだめようとする。
だが彼女たちの言葉には多少のうそも含まれていた。
確かに彼女たちアパレント・アトムは敵の命を奪おうとはしなかった。
しかし戦場ともなればいろんな敵もいれば、いろんなことも起きる。
不利を悟って自決するもの、道連れにせんと特攻を仕掛けてきたもの。
捕縛したものの、移送中に襲撃を受けて死んだものなど、救えなかった命が数多く存在した。
もちろん味方の被害も甚大で、死を免れるも二度と戦場に出られないであろうケガをしたもの、怪人の生命力を持ってしても長期入院を避けられないものなども少なからず存在した。
それに戦ったのはアパレント・アトムとザウルスペクターだけではない。
ヒーロー協会や他の悪の組織などが各個に戦い、アパレント・アトムとは無関係な犠牲者も多く発生している。
怪人だけでなく、ヒーローにも討ち死にした者もいたし、強行取材を試みて潜入して犠牲になった報道関係者もいた。
現時点では犠牲者数を把握している者はどの陣営にも誰も居なかったのだ。

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