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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 306

圧倒的不利な状況の中、敵にやられそうになっていたグラップル・キャプチャーをオート・バルキリーが助けに入る。

「みなさんっ!どんなに苦しくてもあきらめてはいけません!
 ここで退いては、ご主人様たちに何があるかわかりません!
 何としてもここで敵を殲滅させるのですっ・・・!」

オート・バルキリーはアパレントの幹部怪人として、部下たちを鼓舞して多くの敵を倒しまくっているが、さすがに疲労の色は隠せない。
バルキリーですらこの様子なのだから、他の怪人たちなどとっくの昔に限界を超えていた。
もはや精神力だけで戦っている状態だ。
そこにさらなる非情な現実がバルキリーたちを打ちのめす。

「ギャッ!?」
「ッ!?蓮、羽樹、円、六実っ!」

バルキリーの近くで戦っていた味方が敵の攻撃を受け、悲鳴と共に後方へと吹き飛んだ。
吹き飛んだ味方は蓮、羽樹、円、六実の合体した巨大怪人であった。
まだ息のある4人に止めを刺し、開けた穴をさらに広げようとギルド兵たちが一気に攻め寄ってくる。
助けに行こうにもバルキリーも目の前の相手にていっぱいで助けに行けない。
これまでか―――?さしもバルキリーもあきらめかけたその時。

「はああぁぁぁッ!!」
「―――伏せるでござるっ」

短い言葉と共に、すさまじい電撃と突風が殺到してくるギルド兵に向かって放たれ、敵をボーリングのピンのように吹き飛ばしていく。
驚いて電撃と突風の来たその先を見てみると。
そこにはスタン・アックスを構えた乱と。
規格外に大きな刀を構えた薙が悠然と立っていた。
ファランカー・トプスとストラグラーニクスを倒した2人がようやく駆けつけてくれたのだ。
これはバルキリーにはありがたい援軍だった。

「乱!薙!来てくれたのですか!?」
「おうっ!来るのが遅れて悪かったな?」
「新しい敵が乱入したことを受けて、クロック殿が重い腰を上げられた。
 近く、この戦いも終わりとなることでござろう」

その言葉に疲労で重かった身体がわずかに軽くなる。
まわりで戦っている部下たちにも元気が戻ったように見えるのも、気のせいではないだろう。

「さてバルキリー。いくらおまえでもそろそろ疲れただろ?」
「後は拙者たちにまかせてゆっくり休みでござる」
「・・・いいえ。私はまだ大丈夫です。
 お2人は動けなくなった部下の回収をお願いします」
「かは、言ってくれるぜ!
 おまえ1人に手柄を独り占めされてたまるかよ!」
「バルキリー殿、無理をなさるな。
 あなたが倒れられたら、それこそ一大事。
 ここは拙者たちに任せ、バルキリー殿はケガした部下といったん下がるでござる」

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