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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 302

「し、しかしこれは・・・!」
「我々のすることに大きいも小さいもない。
 ましてこの話はおまえ1人でどうにかなる問題でもない。
 わかったらさっさと行くぞ」

正論で攻められてはサムライブレーダーに反論の余地はない。
彼はしぶしぶ反論を下げて、民間人の探索と救出、そして仲間たちへの撤退の連絡をするべくその場を後にしたのだった。

――――

ヒュッ・・・!ヒュッ、ヒュッ!

その頃。1つの黒い疾風が戦場と化した三方町を駆け抜けていた。
その疾風の名前は翔影。ヒーロー協会に所属する正義の味方である。
だが彼は協会でもかなりの実力者でありながら、その名前は驚くほど世間には知られてはいない。
あまりにその行動がスマートかつ速すぎるために、世間がその活躍を知ることができないのだ。
事実、彼はこれまでに何人もの怪人を葬っているが、みな一撃のもとに倒している。
おそらく倒された怪人たちも、自分を殺した相手もわからぬままに死んでいったことだろう。
そして今、彼はこの戦いを止めるキーパーソンを探して戦場を走り回っていた。
その人物を抑えることができれば、この争いも終わりを迎えることになるだろう。
今まで戦いながら情報を集めた翔影は、すでにそのキーパーソンが何者で、どこにいるか大体の見当はつけている。
だが。それほどの成果を挙げているにもかかわらず、彼の表情は驚くほどに硬い。
冷静だとか、油断がないとかそういうことではない。
それだけ手強い相手だということだ。
なのに彼は仲間を呼ばず、あえて1人でその人物の元に向かっていた。

タンッ!タ、タタタンッ!

廃墟と化したマンションを駆け上がり、屋上に到達する翔影。
そこで彼が目にしたものは。
肉片と化した惨殺死体が浮かぶ血の海をバックに。
楽しそうに戦いを眺める1人の人物であった。
予想通りの人物に思わず苦虫を噛んだような顔を浮かべる翔影。
なぜならその人物は。悪の組織の頂点とも言うべきダークギルド。
その頂点に立つ最強最悪の1人であったからだった。
「クックック、どうした掛って来ないのか〜」
「………」
苦虫を潰す飛影と対照的に余裕ともいえる嫌らしい嘲笑い方をして翔影を翻弄していた。

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