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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 297


「・・・その男はおまえの大事な人間ではないのか?」
「・・・!」

その言葉に夢は目に見えるほど、はっきりと反応を示した。
彼女の脳裏に彼と過ごした思い出の日々が蘇る。
ボロボロの自分を拾ってくれたこと。
怪人である自分を人間として扱ってくれたこと。
何の力もないのにお人よしで変わり者の青年。
次から次へとあふれてくる記憶と幸福感に、夢はとまどいつつもその口を開いた。

「そ・・・うだ、この人間は・・・私の大切な・・・ヒト、だ・・・っ」
「・・・!」

啓太のことを『主人』ではなく『人間』『ヒト』と言ったことに対し、眉を上げて小さく驚くゴルディアース。
まさか、怪人の口から恋愛でも主従でもない感情で人助けをするなんて思いもしなかったからだ。
こんな怪人は見たことがない。
その驚きが彼にわずかな油断を与えた。

ビュボッ!

突然、もう1つの繭から黒い何かが飛び出した。
不意をつかれたゴルディアース(鬼瓦)は、あわてて回避してそこから距離をとる。
一体何が?そう思って繭のほうを見てみれば。
そこには荒い呼吸を繰り返し、化け物のような右腕で地面を豆腐のようにえぐった、全裸の少女が立っていた。
その顔には鬼瓦もケイロンも見覚えがある。
ザウルスペクターの筆頭、レックス・ライダーだ。
だがケイロンは一瞬目の前の人物がレックスその人であるか、わからなかった。
なぜなら繭から出てきたレックスの身体は、小柄な身体にありえないほど大きな乳房が揺れていたからだ。
まるで別人のようになってしまったレックス・ライダーは、荒い呼吸を繰り返しながら夢に向かって怒鳴りつけた。

「ハーッ、ハーッ・・・!貴・・・様ァッ、ボクに一体何をしたぁッ!?」

怒り狂って爪を突きつけるレックスに、夢は右手で頭を抑えるようにしながらそれに答えた。

「おまえの身体を、この人間の性奴隷になるように作り変えた。
 今のおまえはこの人間を愛し、尽くさずにはいられない・・・!」
((怪人を再改造した・・・だと?))

夢の言葉にゴルディアースとケイロンは耳を疑った。
なぜなら今の夢の言ったことはありえないことだからだ。
普通怪人を作るためにはその材料だけでなく、それなりの設備と時間が必要だ。
改造したてで無理をすれば自壊を起こすし、裏切らないようにしっかり洗脳を行う必要もあるからだ。

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