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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 30


「こっ・・・これ、は・・・!?」
「あの・・・バカども・・・!」
「・・・啓太様。次はない、と私は言いましたからね?」
「あぁ・・・好きにしろ。さすがのオレも、もうフォローできねえよ」

三者三様の感想を述べる面々。
いったい開かれたメニューにはどんな問題があったのだろうか?
そのメニューには女体を器に見立てた女体盛りならぬ女体サラダ、女体パフェ、果ては女体ハンバーグなどの料理の品々が写真つきで並んでいた。
実質的なオーナーにしてご主人様である啓太をもてなそうとするちょっとした心意気なのだろうが・・・ファミレスには行き過ぎたメニューであることは明白だ。
そもそも女体ハンバーグって何だ、女体ハンバーグって。
そんなものに挑戦すればおなかがいい感じにヤケドしてしまうであろうに。
実に身体を張ったメニューを考えたものである。
しかし視察に来た夢が、そんなおふざけを見逃すはずもなく。
幽鬼のごとく音もなくゆらりと立ち上がる。

「啓太さん、申し訳ありませんが少々お待ちになっていてくださいませんか?
 ちょっと(説教が)長くなりそうなので」
「かまわんけどくれぐれもやりすぎるなよ。
 使い物にならなくなったら、オレだけでなくみんなが困る・・・」

夢はうなづきを持って返事とすると、そのまま吸い込まれるように厨房に消えていった。
その瞬間、キャーキャーとまだ騒がしかった厨房がピタリと静まり返った。
客のことを考えた結果なのだろうが、怒れる夢の怖さを知っている啓太たちはかえってその沈黙が怖くて仕方がない。
その恐怖に耐え切れなくなったのか、不意に刀が席を立つ。

「念のため私が夢さ・・・んを見張ってきます。
 大丈夫とは思いますが、その、念のため・・・」
「ああ・・・。よろしく頼む」

夢と刀がいなくなり、席には啓太と空のみが残される。
少々無用心だがこのレストランは組織のものだ。
啓太の安全については問題ないだろう。
そう思って啓太が一息つこうと冷水に手をかけたその時だった。

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません、お客様。
 ご気分のほうは大丈夫ですか?」

不意に隣から若い女の声が聞こえてきた。
振り返ればいつやって来たのか、そこには長い金髪の男装の麗人が立っていた。
それを確認した啓太は、ため息をつきながら返事をする。

「そう思うならしっかりアイツらの教育をやっておけよ・・・」

それはこのファミレスの店長をやっている女怪人であった。

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