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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 286


なかった。レックスの爪は、啓太の鎧、その胸の接合部に吸い込まれるように命中し。
啓太の身体にこぶし大の大きな穴を開けていた。
夢はもちろん、足の1本を斬られたケイロンでさえ痛みを忘れ。
次の瞬間、2人は絶望の大絶叫を上げたのであった。

「ぐっ・・・かっ・・・かっ・・・!」

痛い。痛い痛い痛い痛い。痛いという言葉では表現できないくらいに痛い!
悲鳴を上げたいのに、あまりの痛みに声すら満足に出せない。
生まれてこの方、骨折1つしたことのない啓太にとって、これはあまり衝撃的な体験であった。
啓太の目に映るのは、鎧の隙間にねじ込むように突き立てられた太くて長い爪。
そしてそんな自分を見下すような笑みを浮かべるレックス。

「どうだい?ご自慢の鎧をあっさりと突き破られた感想は。
 痛いだろ?キミみたいなタイプは、防御力に過信して痛みに慣れていないはずだからね」

ズッ・・・

勝利の笑みを浮かべながら、レックスが爪を引き抜く。
すると傷口から大量の鮮血がごぽりと流れ出る。
あまりに生々しい光景に、啓太はそれだけで意識を失いそうだ。
だが気絶はできない。気絶したら、抵抗もできずに殺される。
それは千羽との戦いでイヤと言うほど教え込まれていた。
ギリギリと血が出るほどに口をかみ締め、痛みに耐える。

「へえ・・・?やるね?胸に大きな穴を開けられたのに。
 素人でも素人なりにがんばっている。そーゆーことかな?」

レックスの言葉に、啓太が不敵な笑みを還したその時だった。

トンッ・・・!

「・・・っ!!」
「でもね。ウザいんだよ、そーゆーの。
 君は弱っちいザコなんだから、ザコらしくさっさと死ねばいいんだよ」

啓太の身体はレックスの爪に再び貫かれていた。
おそらく同じところを狙ったのであろう。
一度目では貫通できなかった爪は、2回目にして背中まで貫き。
啓太の傷口と口から大量の血液を吐き出させていた。

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