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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 285

だが。命がけの攻撃を成功させたにもかかわらず、レックスは驚いたように血まみれの右手と吹っ飛ばされた啓太たちを交互に見ている。

「あれ?あれれ?うそ、ホントに決まっちゃったの?
 まだ何かあるもんだとばかり思っていたんだけど」

どうやら本気モードになったはいいが、あまりにもあっさり倒せたものだから、拍子抜けしてしまったらしい。
なまじすごい防御力を持っていたがために起こってしまった、最悪の展開であった。
啓太が自身の未熟と油断を呪う中、レックスは何とも重いため息を吐きながら、ポリポリと器用に大きな爪で頭を掻いた。

「拍子抜けだなぁ・・・。どうしてくれるんだよ。
 キミみたいな素人相手に本気になっちゃった、ボクの立場。
 こんなこと、仲間に知られたら一生笑いものだよ?
 ねえ、この責任、どうやって取ってくれるのさ?」
「知るかっ、そんなモンっ!」

素人発言にカッとなった啓太は、まだ負けていないとばかりに右手に剣を形成して横に薙ぎ払った。
だが振り払ったそこにレックスの姿はない。

「え?ぐがッ!?」
「啓太様っ!?」

啓太があっけに取られた次の瞬間、頭に強い衝撃が走って地面に押し付けられた。
ジャンプしてかわしたレックスが啓太の頭を踏みつけたのだ。

「まったく・・・ホント、興ざめもいいとこだよ。
 ボクと自分の力の差ってヤツもわからないのかい?」
「ぐっ・・・ぎっ・・・ぎっ・・・!?」
「よせっ!その方に手を出すなっ!貴様の相手は私だろう!?」

啓太のピンチに、夢は必死にレックスの興味をこちらに引こうとするが、すでに満身創痍の彼女ではレックスのやる気はおろか、機嫌の1つさえも思うようにならなかった。
そして何もかもどうでもよくなったレックスは、さっさと詰めの作業を済ませることにした。

「あーもーうるさいなー。いいからさっさと死んでよ?
 あんなこっ恥ずかしいこと知られて、生かしておくつもりもないんだからさ」

レックスは面倒くさそうにそう言うと、口うるさい夢から黙らせようと大きな爪を突き出したのであった。
興味を引くつもりが命を取られることになるとは思わなかった夢は攻撃をかわすことができない。

(殺られる!?)
「夢っ!?」

夢が自身の死を確信したそのとき。啓太はとっさに夢を突き飛ばした。
当然レックスの爪は啓太の鎧に弾かれ・・・。

ドシュッ!

「・・・あえ?」
「「・・・・・・ッ!?」」

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