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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 283


「なっ・・・!貴様ら、何をしている!?
 私のことはいい!早くけ・・・リベリオン様を遠くへ!」

バキンッ!

夢が必死に啓太を安全地帯にまで行かせようと声を荒げるが、それより早くレックスが右手にくわえ込んだ盾を噛み砕いた。
いきなり右手のあごが外れるかと思うくらいの硬い盾を突っ込まれ、レックスも怒り心頭のご様子だ。

「こ、こンの・・・!1対1の決闘を汚しただけでも許せないってのに、いきなり口の中にこんなものを・・・!」

ジャキィッ!

レックスは解放されたばかりの右手を啓太たちに向けると。
怒りのままに火の玉を啓太たちに向かって乱射した!

「どわああぁぁぁッ!?来た!来た来た来たぁッ!?」
「落ち着いてください、リベリオン様っ!」
(そうです!野生化怪人と向き合ったときのことや千羽との特訓のことを思い出してください!
 あれに比べればこの程度、まだまだ怖くないはずです!)
「・・・!千、羽・・・!」

夢たち怪人を守るために自ら傷つけてしまった少女。
その名前に啓太の心からいい感じに恐怖の感情が抜けていく。

(そうだ、千羽に誓ったじゃないか。
 もう情けないところはみせないって・・・!)

その身に戦う決意をみなぎらせた啓太は、右手に盾を形成してケイロンに叫んだ。

「行くぞ、ケイロンっ!防御はオレとパラサイトにまかしとけっ!」
「かしこまりました。振り落とされないよう、しっかりお捕まりください。
 それでは・・・参ります!」

ケイロンはそう言うと、火球の雨の真っ只中に飛び込んだ。
とは言え、さすがのケイロンも啓太に防御を全面的に任せるつもりはない。
火の玉を回避しつつ、最短コースで夢を救出する。
それがケイロンの考えるプランであった。

ドゴォンッ!ボアッ・・・!ドッ・・・ドカァンッ!

ケイロンが走るその隣で次々と着弾、弾けていく炎の塊。
その熱気とぶつかる瓦礫の破片に、啓太の心が反射的にひるむ。
しかし千羽に重傷を負わせたときの記憶、そして野生化怪人レゼントのことが、くじけそうになる啓太の心をすぐに立ち直させる。

(待ってろよ、夢!こんなくだらない戦い、すぐに終わらせてやるからな―――!)
「啓太様!」

そう決意したそのとき。
火の玉を回避し切れなかったケイロンが、啓太に危険を告げた。
啓太はパラサイトのフォローを受け、形成した盾で火の玉を防ぐ。
接触と同時に弾ける炎。鳴り響く轟音。そして夢の悲鳴。
果たして啓太は無事、降り注いだ火の玉を防ぐことができたのだろうか―――?

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