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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 275

プテラの放ったレーザーの余波がこちらにまで伝播したようだ。
一見視界ゼロでも攻撃できるメリットを、夢が失ってしまったかに見えるこの状況。
しかし実際の夢の心境はまったく逆。
むしろ砂塵が消えたことに感謝さえしていた。
なぜならこの手のタイプを相手にするときは、姿が見えていたほうがやりやすいからだ。

「そういう・・・ことか・・・っ。
 おまえ・・・状況に応じて姿形を変えて戦うタイプの怪人か・・・っ!」
「うふふっ、だ〜いせ〜いか〜い♪」

そう。先ほどからコロコロ姿形が変わるのは、レックスの能力によるものだった。
読者諸君は子供の頃、変形ロボットなるオモチャで遊んだことはないだろうか?
レックスはそれと同じように、状況に応じて変身しながら戦う怪人なのだ。
最初の姿はおそらく腕力系の強化だったのだろう。
それが夢の攻撃で防御力重視の姿に変身、攻撃したというわけだ。
防御力重視の姿で夢の怪人化した右腕に手傷を負わせるとは、恐るべき硬度である。

「さて、正解者のおねーさんには天国への片道切符をプレゼントしま〜す♪」

レックスはそんな軽口を叩きながら、下から恐竜化した足を蹴り上げる。
そんな足で蹴り上げられたら、打撲どころではすまない。
必殺の蹴りに対し、さしもの夢も顔色を変えて回避する。

ビュ、ビュンッ!

夢のよけた空間に、レックスの蹴り2連撃が通過する。
なんとレックスは1発でも十分強力な蹴りを2発連続で放っていたのだ。
ふざけたようなふりをしてなんと言う周到さ。
そして恐るべき残虐性である。
だがその周到さも、かわされては意味がない。
両足が宙に浮き、無防備になった瞬間を狙って夢はすかさず反撃とばかりに連接剣を振るう・・・つもりだった。

バチィッ!

「ガッ!?」

終わったとばかり思っていたレックスの攻撃は、まだ終わってはいなかった。
今のレックスには、3本目の足に当たるものがついていたのだ。

「しっ・・・ぽ?」

そう、それはレックスのシッポであった。
先ほどまではレックスの左手にあったシッポは、臀部に移動し、第3の足として夢を吹き飛ばしたのであった。
幸い本物の足のように鋭い爪こそついていなかったが、その威力は自分の蹴りと遜色ない。
夢は己の愚かさを後悔する間もなく後ろに吹っ飛び、地面に倒れこんだ。
そこに追い打ちをかけるのはレックスの嘲笑。

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