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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 273


――――

ギィンッ!

一方その頃。刀とプテラはそれぞれ剣と槍を手に、激しい攻防を繰り広げていた。
力や勢いに押されたりして間合いが開くことはあるが、それも一瞬のこと。
相手が距離をとろうとするより先に間合いをつめて、すぐさま次の打ち合いが開始される。

チャッ、

「!」
「食らえッ!」

激しい剣戟の中、わずかな隙をついて刀がプテラの顔に左の砲口を突きつける。
しかしプテラはすばやく砲口から顔をずらすと、空気弾が顔を掠めるのもかまわず、すぐさま反撃を開始した。

(ちぃっ、外したっ!
 くそっ、本気になる前に今のでしとめようと思ったのに・・・!)

そう。刀はすさまじい攻防戦を展開していながら、プテラは手加減して戦っていると感じていた。
手加減というより、純粋に剣技を楽しんでいると言ったほうが近い。
その証拠に、プテラはいまだにマントから左手を出すことなく右の槍1本で戦っている。
屈辱的な話だが、それならそれで状況を利用しようと、刀は付き合うふりをして巧みに蹴りや空気砲を入れているのだが、まだ1発も当たっていない。
底知れないプテラの強さと不気味さに、さすがの刀も不安とあせりを覚えずにはいられなかった。
そしてその不安は見事に的中することになる。

ガッ!ガガガガガガッ!

「くッ!?」

嵐と見まがうほどの突きの連射に押し負け、体勢を崩した刀に、プテラは彼女の前に槍を突きつけるという、おかしな行動に打って出たのである。
勝負ありとでも言いたいのか。余裕を見せ付けたいのか。
それとも動いたら殺すというサインなのか?
フルフェイスのヘルムをつけたプテラからは、その意図が読めない。
そのときだ。刀は突きつけられた槍を見てあることに気がついた。
切り結んでいたときは気づかなかったが、突き出された槍、その根元あたりに不自然な突起物が2つ、ついていたのだ。
よく見ればプテラは槍を握ってすらいなかった。
槍がプテラの右手と完全に一体化しているのだ。
まるで生き物の頭のようだと思った瞬間、刀の全身に怖気が走る。

ガパッ!

それを合図にしたかのように、槍の突起物が開き、槍が上下2つに展開した。
ぱっくりと開いた槍の中央にあるのは、浴びたものすべてに死と破壊を与える光の塊―――!

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