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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 28


「ここに来るのも久しぶりだけど・・・。
 みんなうまくやってるかな?」

啓太が見るからに不安そうな様子で夢に尋ねる。
啓太が認めるだけの一般常識を身につけても、相手は怪人である。
始めて子供をお使いに行かせるような感覚が絶えず、その心配のネタは尽きない。
啓太の問いに夢たちは笑って答えてくれた。

「啓太さ・・・んはホントに私たちにお優しいんですね」
「いやいや空さん?そーゆー話でないから」
「今のところ、経営に関わるようなトラブルを起こしたという報告はありません。
 ご心配には及ばないかと」
「いや・・・確かに、それは夢の言う通りなんだけど」
「啓太さ・・・んは、心配性ですね。
 それではすぐに視察を始めましょう」

苦笑する刀に促され、啓太たちはデリシャスの入り口をくぐった。

カラン、カラン♪

「いらっしゃいませ♪
 ファミリーレストラン『デリシャス』にようこそ!
 ・・・って、啓太殿!?」
「よ、よお、薙(なぎ)」

店に入って早々、いきなり不安の種の1つが啓太たちを出迎えた。
彼女の名前は慶橋 薙(けいはし なぎ)。
それはかつて警備部部長として地位を与えられながら、啓太恋しさに暴走した怪人、ベンケイ・ウォールの人間としての名前であった。
店の奥からは啓太の名前を聞きつけた店員たちが啓太の名前を呼んだりして反応しているのがわかった。

「いやいやいやいや!また我々の様子を見に来てくださったのでござるか!?
 いや、誠にありがたい限り!それではいつものように5名様、禁煙席でよろしいでござるか?」

メイド服を基調とした紫と白のウエイトレスは、普段のござる口調全開で、心からの満面の笑みで迎えてくれる。
啓太としてはうれしい限りなのだが、大声でその口調は勘弁願いたい。
啓太の困った様子に、夢が厳しい口調で薙をたしなめた。

「薙。今は勤務中でしょう。話に現を抜かしていないで、自分の職務を全うしなさい」
「・・・!失礼、いたしました。それではお席にご案内いたします。
 禁煙席でよろしかったですか?」
「あ、ああ。よろしく頼むよ」

『職務』の一言でいきなりキャラが変わった薙についていけない啓太は、少々引き気味なりながら質問に答える。
喫煙席か禁煙席か聞かないあたりが、啓太たちが常連であることがうかがえる。
そして啓太たちは空いてる席に案内され、メニューを手渡される。

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