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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 268

トプスの繰り出した攻撃は、当然最後の武器である3本の角を使っての体当たり。
しかし最後の攻撃がただの突進で終わるわけがない。

「うおらあああぁぁぁッ!!」

ダンッ!

ダッシュでスピードをつけたトプスは、そのまま地面を蹴ってジャンプする。
それと同時に身体を回転。人の形をした槍となって乱を襲う。
しかしそんな攻撃を見て、乱はまるであわてた様子がない。
何かとっておきの策か技でも持っているのだろうか?
乱がふっと笑みを浮かべたそのときだ。
彼女はこともあろうに軽く横に飛んで攻撃を回避した。

「なッ・・・!?」

まさかあれだけの死闘を演じておいて、この最後の攻撃を避けるだなんて思ってなかったトプスはそのまま乱の横を通り過ぎていく。
そしてトプスは信じられないものを見たかのような顔で瓦礫の山に突っ込んだ。
トプス決死の攻撃をあっさりと回避した乱は、それを確認すると、足元に落ちていたスタン・アックスを拾い上げる。

「・・・ったく、バカだねぇ。
 命のかかった真剣勝負で、誰があんな攻撃を真正面から受け止めるもんかい。
 そもそもオレの身体は髪の毛1本から細胞1個に至るまで、すべて大将のモノなんだよ。
 それをオレの一存で投げ捨てるわけなんてねえだろが」

バチッ・・・!バチッ、バチチッ!

言い終わるや否や、スタン・アックスの刃から火花が飛び散り光を放つ。
スタン・アックスが高電圧を放っているのだ。

「・・・さて。今のでもう動けないとは思うが、万が一ってこともある。
 決着つけさせてもらうぜ?」
乱はそう言うと軽くジャンプして斧を地面にたたきつけた。
その瞬間、光る刀身が地面にめり込み、蓄えられた電気が辺り一帯に放出される。
そして斧から光が消えうせたとき、すべては終わっていた。
瓦礫に埋もれたトプスは、スタン・アックスから放たれた電撃によって麻痺し、行動不能に陥っていた。
無事なのは斧を着地点にすることで電撃を回避した乱のみ。
乱は軽やかな動きで着地すると、ぺたりとその場に腰を下ろした。

「あーくそっ。まさかこのオレがここまでやられるなんて・・・。
 計算外もいいとこだよ、ホント。
 とりあえず、身体が回復するまで無理せず休んでるほうがいいな。
 くそっ、人を傷物にしやがって・・・アトが残ったらただじゃおかねえ・・・!」

死人に鞭打つような恐ろしいことを口走りながら、乱は1人、傷ついた身体を癒すのであった。
すぐそこに控えている、次なる戦いのときに備えて。

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