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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 267

その結果、まんまと乱の作戦にハマったトプスはあのような大ダメージを食らう羽目になったのである。
言わば自分の弱点をそのまま強みに変えてしまったわけだ。
しかし乱としてはこの戦い方をあまり好ましく思ってはいなかった。
自分の未熟さを露呈しているようだからだ。
弱みを強みに変えているのに納得しないあたり、どれだけ彼女のプライドが高いかうかがい知れる。
そして嫌っていた戦法を出さざるを得ない状態にまで追い込んだ、トプスの実力も。

ドッカアアアァァァンッ!

そしてそれを証明するかのようにトプスが飛んでいた瓦礫が爆発した。
腕が使えなくなったトプスが、瓦礫をどかすために蹴り砕いたのである。
両腕を失い、巨象の連続蹴りに全身食らって満身創痍のはずの男は、壮絶な笑みを浮かべて乱をにらみつける。
一方の乱もトプスの復活に驚きも見せず、黙って敵が土俵に上がってくるのを待つ。

「フッ・・・ハハッ、はははははッ!!」

両腕を失い、全身血まみれのボロボロだというのに大笑いするトプス。
そこには純粋な歓喜があふれている。

「・・・そんなに互角以上に戦える相手と出会えたことがうれしいのかい?
 なぁ、大将」
「ああ、うれしいね!戦うことがすべてのオレにとっちゃ、これ以上うれしいことなんか他にねえよ!
 ・・・いや、1つだけあったな」

ビシリ・・・ッ、

その瞬間、トプスの顔から笑みが消え失せ、そこから恐ろしいまでの気迫があふれ出る。
命を引き換えにしてでも勝ちたい、相手を倒したいという決意。
―――殺気だ。

「オレよか強い相手を、オレの手でブチのめすってのが、な」
「―――は!イヤだねぇ。
 そんな感情、わかりたくもねえのにわかっちまうなんて、さ。
 ま、こっちは啓・・・リベリオンの大将にホメられたくてやってんだけどな」

乱はそう言いながら迎撃の構えを取る。
2人とも気づいているのだ。この戦いが次の一撃で決まることを。
トプスは無言で上半身をゆっくりと前に倒す。
ただそれだけなのにどこにも隙がなく、殺気が加速度的に膨らんでいく。

「―――最後に何か言い残すことは?」
「そいつぁ、おまえさんのほうだろう?」

乱の言葉に、ついにトプスが最後の攻撃に出た。
トプス最後の渾身の一撃。乱はそれをどうさばくのだろうか!?

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