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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 265


「っく、なめるなザコどもぉッ!?
 人の隙をつくことしかできないような連中にこのトプス様がやられると思うかぁッ!?」

トプスはそう叫ぶと、利き腕を切り裂かれたにも関わらず、鬼神のごとき強さでダークギルド兵士たちを屠っていく。
一方大ダメージを受けた乱のほうはと言うと。
ダークギルドの兵士たちに覆われ、その様子さえうかがうことができない。
もしかしてやられてしまったのか―――?
そう思われたそのときだった。

ドカンッ!ザシュッ!ドガッ!バキッ!

突然群がっていた兵士たちが吹き飛んだ。
打撃音がするたびに兵士たちは吹き飛び、そこから巨大なクマや象の足などが飛び出した。
・・・どうやら乱にはまだ戦う元気が残っているようだ。
襲ってくる兵士たちをあらかた吹き飛ばし、なぜか人間形態に戻った乱が抑えきれない怒りをあらわに姿を現した。
あれだけのダメージを与えておいて、いまだ元気を見せ付ける乱に、周囲のザコを片付けたトプスは動揺を隠しつつ、様子をうかがう。

「あー・・・くそっ。こンの私がこうもいいようにやられるなんてね!
 ホント、ウチの連中がいなくてよかったよ。
 こんな情けない姿を見られた日にゃ、自殺モンだよ、ったく!」
「そいつぁよかったなぁ、お嬢ちゃん。
 で?恥かかされたお嬢ちゃんはこれからどうするつもりなんだい?」
「・・・決まってるさ。『やられた分は千倍返しにして叩きのめす』!」

その言葉に呼応するかのように、乱の身体が変身を始めた。
今までのような、腕をゴリラのそれに変えるような筋力頼みの変身ではない。
鳥のくちばしを思わせる長い爪。
猛禽類と4ツ足歩行動物の後ろ足を融合させたような、しなやかさと凶悪さを兼ね備えた足。
乱という存在が、野性と美しさを併せ持つ獣へと変貌していく。

「おお・・・?驚いたな、それがお嬢ちゃんの正体かい?」
「あれも間違いなく私の本性だよ・・・。
 私は百獣の怪人、あれはその姿の1つに過ぎない・・・!
 形にとらわれない千変万化の我が恐ろしさ、その身にとくと刻み付けておくんだねッ!?」

それが乱とトプス、第2ラウンドの幕開けとなった。
乱の姿は幻のように掻き消え。次の瞬間にはトプスの目の前に移動していた。
驚いたトプスはとっさにガードしようとするももう遅い。
鋭く長い2つの爪がいくつもの閃きとなって、トプスを切り裂いた。

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