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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 261

再び不意をつかれたミラージュにヤドカリ怪人のドリルが貫通する。
しかし次の瞬間、ミラージュはふっと笑うとまるで霞のごとく消滅した。
消滅したミラージュはどこに行ったのか?それはヤドカリ怪人の背後―――!

ギィンッ!

すかさず2つ目の鉄扇で斬りかかるも、ヤドカリ怪人の左手のハサミがそれを防ぐ。
だが息をもつかせぬ攻防はまだ終わっていない。
この場にはまだ3人目の怪人が潜んでいるのだ!

バシュウウウゥゥゥッ・・・!!

今まで逃げていたデッドフェイクが、チャンスと見るやきびすを返し、今度は毒ガスを吐いてきたのである。
まったくどこまでもいやらしい性格だ。
対抗手段のない2人は逃げるしかない。
そして不利を悟ればデッドフェイクは逃げ出し、また追いかけっこが始まる・・・と思われた。

「やっぱり攻撃してきましたね。
 あなたの性格ならそう来ると思ってましたよ・・・!」
「――――!?」

その声にデッドフェイクは驚いて振り向いた。
なぜならその声の主は、そこにいるはずのない人間だったからだ。
振り向いたデッドフェイクは予想通りの人物であることに、すべての思考がストップした。
無理もない。なぜならそこにいたのは、毒ガスから逃げていたミラージュであったから。
ミラージュはデッドフェイクの顔に右手を当て、一言。

「―――『狐火』!!」

ゴアッ!!

その瞬間、デッドフェイクの身体は炎に包まれる。
ミラージュの能力は幻術。幻の炎では倒すことなどできないはずだった。
しかしデッドフェイクの身体は本物の炎で焼けているかのように、どんどん火傷ができていく。

「―――――ッ!!??」

そのダメージに耐え切れず、デッドフェイクがついに意識を失いその場に倒れた。
それと同時に全身を包む炎が消える。やはり幻の炎だったのだ。
そして倒れた先にいるのは、にっこりと微笑みを浮かべるもう1人のミラージュ。
一体全体、これはどういうことなのだろうか?
するとヤドカリ怪人と戦っていたほうのミラージュの姿がぼやけ、消えていく。
幻術か?しかしあのミラージュは実体を持っていたはず。
しかしその疑問は次の瞬間、見事に解消された。
消えていくミラージュの幻の中から、まったくの別人が姿を現したのだ。

「うまく行きましたね、ミラージュ」
「ええ、すべてあなたのおかげです、バルキリー。
 おかげでこちらはこの方の裏をかくことができました」

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