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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 260

敵の情報を得たり、わずかながらでもダメージを与えるだけでも後々生きてくるのだから。
しかしそんな中でもバカな連中の1人や2人はどこかにいるものだ。
特に戦闘狂集団であるザウルスペクターはその最たるものであった。
何しろそのあまりの強さゆえに退屈を持て余しているような連中だ。
ダークギルドという敵の参入は、彼らにとってうれしい誤算でしかなかった。
それでもダークギルドの怪人だけに向かってくれるのならまだ助かるのだが・・・。
欲張りな連中は片っ端からケンカを売ったり、その危機的な状況を利用するものまでいた。
そしてそれは怪人たちの保護・避難を指揮するミラージュ・フォックスにも襲い掛かっていた。

「・・・ちぃっ、またかくれんぼですか。まったくタチの悪い怪人ですねっ・・・!」

彼女が今相手しているのは、ザウルスペクター所属の擬態怪人『デッドフェイク・スプリンジ』。
ダークギルド所属のヤドカリ怪人の2名である。
この場にはミラージュを含む3人以外の怪人はいない。
ミラージュが囮になってひきつけているその隙に、部下たちに生存者を避難させたのである。
他のものはみなあの2人の犠牲となって無残な屍をさらしている。
ミラージュはその死体に警戒しながら移動していくと、突然彼女の背後にいた死体がもぞりと起き上がって背中を向けているミラージュに向かって何をか吹き付けた!
死体の山に隠れていたデッドフェイクが、ルフト・アシッドと呼ばれる腐食性の酸を吐き出したのだ。
気づいたミラージュはあわててよけるも、着ていた着物ような戦闘服に数滴付着して溶かしていく。
何とか攻撃をかわしたミラージュは、すばやく服の袖から持っていた鉄扇を取り出すとフリスビーのようにデッドフェイクに投げつけた。
しかしデッドフェイクはそれをひらりとかわすと、迷いなく逃げの一手を打つ。
この怪人、さっきからこの繰り返しなのだ。
姿を隠しては不意打ちを繰り返し、こちらが迎撃の準備を整うと見るや逃げて姿を隠して、またこちらの隙をうかがう。
実に陰湿で厄介な手口だ。
ミラージュとしても逃がすまいとしてはいるのだが・・・。

ドゴォンッ!

騒ぎを聞きつけてきたのだろう。
ダークギルドのヤドカリ怪人が、瓦礫の山を右手のドリルで粉砕しながら雅に襲いかかってきたのだ。

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