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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 257

かつて暴走した薙との戦いに敗れた彼女は、分身を用途に合わせて対応できるようにさまざまな『兵種』の分身を作れるようにした。
そして今回使った分身は『斥候』。
際立った戦闘能力はないが五感に優れ、通信能力がある。
もし何らかの異常があれば、すぐに他のイブがそれを探知できるというわけだ。
今回のような状況にはもってこいの分身である。
ちなみにクロウは斥候のイブの1人と一緒に上空からの遠くの物見を行っている。
狙い撃ちされないよう、近くに敵がいないことはすでに確認済みだ。
自分などよりはるかに有能な部下たちに全幅の信頼を寄せている啓太は、それ以上聞くことはやめ、今も戦っているであろう夢たちに思いをはせた。

「それにしても夢たちのヤツ、どこまで行ったんだ?
 散って行動してたり、遠くで暴れてたりしたらすっごく困るんだが」
(問題ないでしょう。夢様たちは常にリベリオン様のことを第一に考えて行動しております。
 被害を最小限に抑えるために、いくつかのグループに分かれて行動させているものと思われます)
「それにここまで来るのにずいぶん派手に暴れましたからね。
 もしかしたら私たちに気づいたクロック様が、リベリオン様救出のために夢様たちを向かわせるかもしれませんよ?」

啓太のヘタレたっぷりのセリフに、パラサイトたちがそれぞれフォローを入れる。
しかしケイロンのはフォローというより啓太のヘタレぶりをさらに浮き彫りにさせるだけのような気もするが。
さすがの啓太もこれ以上情けないところを見せるのは嫌らしく、あからさまに顔をしかめる。

「イヤだな、それ・・・。
 クロウたちが戻ってきたら、すぐに夢たちの捜索を開始しよう」

そう言って待つこと3分。クロウたちは思ったより早い時間で戻ってきた。
何か情報でもつかんだのか、妙にあわてた様子で。
一体何があったのかといぶかしんでいると、突然啓太のそばにいたイブが何かに反応した。
クロウといる分身から何か通信を受け取ったらしい。
それがよくないニュースであることは、イブの表情から何となく伝わった。
啓太は緊張した様子で、イブに何があったか問いただす。

「イブ。一体何があった?」
「・・・いいニュースとよくないニュースが届きました。
 つい先ほど、私の分身がこちらに向かっているいくつかの勢力を発見したそうです」

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