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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 255

華奢な体つきで組織随一の怪力を誇る薙ならではの力技である。
スピードしかとりえのないニクスも、動かせなければその辺の戦闘員並みの戦闘力しか出せない。
それならばと残った左手で斬りつけようとするも、それより先にニクスの右足が踏みつけられ、薙の刀がニクスの首筋に押し当てられる。
チェックメイトだ。だが完全に薙の不意をついたはずのニクスは納得いかない。
この後殺されるにしろ意識を断たれるにしろ、それだけは聞いておきたかった。

「貴様・・・一体どんな手品を使ったですか?」
「特に大したことはしてないでござるよ。ただ普通に攻撃を防いだだけ。
 ただそちらのほうは勘違いしていたみたいでござるな。
 パワータイプは動きが遅い、と。
 確かに拙者はあなたのようにすばやく走ることはできぬでござる。
 しかし手を上げたりするくらいなら、筋力ですばやく腕を動かすことも可能なのでござるよ」

誤解している人も多いが、パワータイプは決して動きが鈍いのではない。
その筋力ゆえに早く走れないだけだ。
手を上げたり下げたりするくらいならば、スピードタイプに負けずとも劣らないスピードで動かすことが可能なのだ。
パワータイプは動きそのものが鈍い。そう思い込んでいた過ちがニクスから逆転のチャンスを奪った。

「残念でござったな―――」

悔やんでも悔やみきれないニクスに薙はそれだけ言うと、ニクスの頭に頭突きを1発お見舞いする。
防御力のないニクスはその1発で脳震盪を起こし、気絶する。
薙がこの戦いに勝利したその瞬間であった。
「ふう〜手ごわい敵で御座った。一歩間違えたら、拙者は死んでたで御座る。啓太様の元に向かおう。」
薙はニクスの強さに自分が負けてた可能性の高さを実感しながらも啓太の所へ大急ぎに向かうのであった。

――――

「リベリオン(啓太)様、よけてっ!!」
「うおおぅッ!?こ、このっ・・・!!」
「ぐげあッ!?」

その頃。啓太はケイロン・クロウ・パラサイトの3人とともに戦場を駆け抜けていた。
その姿は正直りりしく格好いいとは言い難い。
綱渡りをするかのごとく危うく、サポートメンバーに助けられることなんてしばしばだ。
だが危なっかしくも、啓太は精一杯戦い、生き抜いていた。
千羽・レゼントとの訓練で啓太は着実に成長し続けているのだ。
肉体的にも精神的にも。

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