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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 248

背後から油断しているスパイクを両断して絶命させたのは彼女だった。
「貴様ぁ、何者だ!!どこぞの怪人かぁ!!」
またしても現れた邪魔者に激昂する介錯丸に対して無言のルシフェル。いや、あまりの怒声に顔を顰める。
「黙ってないで答えろ、怪人が!!」
斬奸刀を突きつけて、脅す介錯丸。頭に血が上りすぎてもはや冷静な判断が出来なくなっているだろう。
「煩い、黙れ。そんな大声を出さなくても聞こえてる」
初めてルシフェルがうんざりと言った風に声を出す。
「貴様ぁ、なんだその態度は!!」
復讐するべき獲物を横取りされた形となった介錯丸は躊躇する事無くルシフェルに刃を振り下ろそうとする。
ここにいる以上は一般人の少女ではない、怪人か何かの類と見ての判断だった。誰もがそのまま、成す術も無くルシフェルが斬られるかと思った。
だが、結果は……
「同僚だと言う事すらも分からんほどいっぱいいっぱいか?その空っぽの脳みそは。そのまま醜態晒して地面に這い蹲ってろ」
刃を避け、その勢いを利用して空中回転蹴りを介錯丸の米神に叩き付けた。
激烈な一撃が介錯丸の頭に直撃し、脳を揺さぶられ、立っている事が出来ずにぐらりと倒れる。
「お主、先ほどその者に同僚だと言ったでござるな。ならば、ヒーローでござるか?」
見た目とは裏腹にルシフェルが相当な錬度を積んでいると薙は見ていた。
「一言で分かる事を一々聞かんと理解できんか?まあいい。一応、敵とはいえ礼儀か。名はルシフェル……。あまりに地味なんで無名だがな」
「見たところ、変身しておらんようでござるが……」
「する必要はない。お前達の相手などこの状態でも十分。余計な手出しと粛清をしたおかげで実質対等になってしまったわけだが……私の憂さ晴らしの相手はどちらだ?」
挑発的な視線を薙とニクスに向ける。まるで見下すかのように。
「ニクスを馬鹿にしているのですか?それとも単に死ににきただけですか?」
ニクスがどちらでも飛びかかれるように姿勢を前傾にする。見下されてる事にニクスも少々カチンと来たようだ。
「死ぬ?誰が誰に殺されると?むしろ、お前が自殺志願するか?」
その挑発するような言葉が引き金となってニクスは地面を蹴って、ルシフェルに間合いを詰めた。普段の彼女ならあるまじき行動だ。
「ニクス、ムカつきました。徹底的に切り裂いて、血塗れにしてあげます」
爪を振り下ろすニクスに対してルシフェルはカラミティブレードで受け流す。あくまで受け止めるではなく、力の方向を逸らすだけ。
「おまえなど、所詮は前座に過ぎん。いや、前座以前の問題だな。軽すぎて、受け流すのも楽だったぞ」
ルシフェルはニクスを見下し、馬鹿にし、挑発する。

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