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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 245

見た目とは裏腹に極端なパワーファイターである薙。
確かに当たれば一撃必殺もできる彼女にとって、スピードを重視した連中に一撃与えるにはこの戦法が1番だろう。
しかしこのやり方ではそれなりのダメージは避けられない。
1対1対2の構図では最良とは思えないが――?

(しめた――!)

それを好機と見たニクスは、介錯丸を無視して薙に突っ込んでいく。
スパイクも獲物と取られてたまるかとばかりにその後を追う。
しかしその時だ。スパイクの前を走るニクスの姿が突然ぶれたかと思うと、何人も増殖し始めたのだ!
それはニクスの得意技の1つ、『スプリット・イリュージョン』だった。
高速移動による残像で、何人もいるように見せかけているのだ。
もっとも薙も怪人であると同時に凄腕の剣士。
それが増殖ではなく、幻影だということはすでに見切っている。
後はこの分身の中から、いかに本物を見つけ出すかということだけだ。

「はああぁッ!!」

走る薙は何を思ったか、いきなり目の前の地面に刀を突き刺す。
薙の怪力で刀身は豆腐に箸を差し込むかのように差し込まれる。
そして突然急ブレーキをかけると同時に、地面に突き刺した刀を右斜め上に向かって切り上げた!
すると刀の刺さっていたあたりの地面が爆発。
そこからいくつもの石つぶてが散弾のようになってニクスたちに襲いかかる。
てっきり近接攻撃専門とばかり思っていたニクスは驚くも、何の問題もない。
分身を解除して逃げに徹すれば、十分逃げられる。
背後に迫りつつある、バカな復讐鬼の攻撃も。
隠し切れない笑みをこぼしつつ、ニクスがその場から離脱する。
するとその背後から、薙の散弾攻撃に負けずとも劣らない数の斬撃の嵐が飛んできた。
介錯丸がニクスを追って攻撃してきたのだ。

(しまっ――!?最初から、これを狙って―――!?)

薙と介錯丸がそれに気づくももう遅い。
逃げそこなったスパイクを巻き込んで、2人の剣士の技がぶつかり合った。
巻き上げられた土砂の散弾と斬撃の嵐がぶつかり合う。
2つの嵐は一時、拮抗して動きを止めるが、所詮は剣技と土砂のぶつかり合い。
徐々に介錯丸が薙を切り刻もうと土砂の嵐を飲み込みだす。
その中で2つの嵐に飲み込まれてしまったスパイクは、必死に回避と防御を繰り返して脱出を試みていた。
防ぎきれなかった土砂の散弾や斬撃が身体を傷つけ、血しぶきが舞う。
しかしここで足を止めれば、待っているのは確実な死。

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