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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 244

「おまえの相手はこっちだよッ!?」
「く!?また邪魔を・・・っ!」

薙が地面に倒れたスキをつこうとニクスがフォローしようとするも、今度は介錯丸が衝撃波つきの斬撃でニクスごと薙たちまでも攻撃してきた。
幸い命中率無視の攻撃だったので、3人とも何とか攻撃を回避できたが・・・埒が明かない。
薙は『量より質』の怪力攻撃を仕掛けるも、ニクスもスパイクもその足でかわしてしまう。
介錯丸は『質より量』で攻めるも、命中率を無視しているせいでまったく致命的な攻撃を入れられない。
ニクスは攻撃したくても介錯丸の攻撃のせいで、機動力を生かした攻撃ができない。
スパイクは薙に復讐したくて仕方がないのだが、彼の実力では薙刀を追い詰めるまでのことしかできない。
見事なまでの3すくみならぬ4すくみの構図ができあがってしまっていた。

(いやはや、これは何ともまいったでござるなー。
 せめて拙者がこの刀を使いこなせていれば、もっと楽になったでござろうに・・・)

薙はそんなことを思いながら、右手に視線を送る。
その手にあるのは、開発部からもらった薙専用の大刀。
彼女のみに扱え、彼女のみがこの武器の力を引き出すことのできる最強の刀。
実際この刀なら、向かうところ敵なしだと薙も思う。
しかし。今の彼女にはこの刀を使いこなすだけの経験が圧倒的に不足していた。

(いや、戦場での1日は100日の研鑽にも勝ると言う。
 この戦いを利用して、見事主様のご期待に応えて見せようぞ!)

だが薙は思考を切り替え、心を強く持つと刀を振るってスパイクたちを挑発する。

「さあさあ、いかがなされた皆の衆!?
 せっかくの戦、少々盛り上がりに欠けておりますぞ!?
 お互い、全力を尽くさずして勝てるような相手でもなし。
 それともあまりの強さに腰が引けてしまわれたか!?」
「「「・・・・・・っ!!」」」

その言葉に3人が少なからず反応を示す。
3人とも立場こそ違えど、それぞれが一騎当千の猛者。
強さにそれなりの自負を持つものにとって、薙のセリフは屈辱以外の何物でもなかった。
だがそれでも3人は思うように動けない。
薙の言うことも少なからず外れていたわけではなかったのだから。
だがみながお互いに警戒する中、薙はあえて攻撃にうって出た。
目の前の敵を排除し、少しでも啓太の負担を軽くするために。

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