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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 241

止まっていたのはわずか数秒。しかしその数秒の間に、その場にいた者たちはお互いが只者でないことを瞬時に悟った。
夢たちは思わぬ強敵との邂逅に内心で舌打ちし。
ニクスたちザウルスペクター陣は、それを歓喜で持って迎え。
正義の味方である介錯丸は、憤怒と苛立ちを撒き散らしながら大声で怒鳴った。

「何者だ、貴様らはァッ!?我が復讐に仇なす愚か者かぁッ!?」
「「「・・・・・・・・・」」」

怒り狂う復讐の鬼に、夢たちはすぐに返答しなかった。
うかつに刺激すれば彼の持つ斬奸刀が、すぐさまこちらに牙をむくと見当がついたからだ。
そんな一触即発の空気の中、平然と動いたのはやはり戦闘狂のザウルスペクター陣営であった。

「これはこれは。くだらない復讐鬼の相手をしていたら、これまたずいぶんおもしろそうな人たちを見つけました。
 ねえ、スパイク?」
「グルルルルルル・・・」

ニクスの呼びかけに、スパイクもうれしそうにうなりだす。
しかし夢たちからすれば最悪の事態と言ってよかった。
一刻を争うこの状況で、明らかにランクの高そうな連中なんて相手にしてられない。
かと言って、これほどの連中を何の代償もなしに素通りできないことも夢たちは痛いほど理解していた。
一体いかにしてこの事態をやり過ごすか?
夢たちがそんな考えを張り巡らせようとする中、真っ先に動いたのは薙だった。

「復讐の剣士よ!我らにそちらと戦う意思はない!
 願わくば我らが速やかにこの場を立ち去ることを許されよ!
 さもなくば我が怪力無双の剛剣が相手になるが、返答はいかに!?」
「「!?」」

その言葉に夢と刀は驚く。そんなことを言えばどうなるか、すでに結果は見えていたからだ。

「・・・おもしろいです。
 その自慢の剛剣、ぜひニクスたちに味わわせてください。スパイク」

案の定、戦闘狂のニクスが事態をややこしくしようと、スパイクにけしかけて攻撃をしかけてきた。
当然薙はそれを宣戦布告とにみなして迎撃に出ようとする。
だが迎撃に出るその直前。薙は夢たちに視線だけ向けるとボソッと何事かつぶやいた。

「・・・(ボソッ)」
「ッ!?薙、おまえ・・・!」
「よかろう!それが貴殿らの返事であるならば、こちらも全力をもって答えよう!」

刀が何か言うより先に、薙は刀と呼ぶにはあまりにも大きな刃物を片手に飛び出してしまった。

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