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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 238


本気ではなかったとは言え、自慢の技を食らって立ってきた乱に、さすがのトプスも目を丸くした。

「ほう?コイツは驚いた。今のを食らってまだ動けるたぁな!」
「へっ!驚くのはまだ早え!
 これくらいでいちいち驚いていたら身がもたねえぜッ!?」

そう言いながら、乱はゴリラのように筋肥大化した両腕でパンチを繰り出す。
トプスはそれを無駄のない動作でひらりとかわす。
的を外したパンチは空を切り、トプスの後ろにある瓦礫を粉々に破壊した。

「ほッ!?結構力もあるんじゃねえか!?
 だったら何であんなくだらないオモチャ使ってたんだ!?」
「んなこと言ってる場合か・・・よッ!?」
「んおぉッ!?」

軽口をたたくトプスに、今度は先ほどとは比較にならないほどのパンチの乱打を乱は放った。
てっきり攻撃力だけの怪力バカだと油断していたトプスはすぐに捕まり、パンチの嵐から逃げられなくなってしまった。

「そらそら、どうしたどうしたぁッ!?
 いくらガードしてても防御だけじゃ勝ち目はねえぞッ!?」
「ハッ!ずいぶんかっこいいじゃねえか、お嬢ちゃん!
 だがな・・・?」

パンチの嵐の中、防御を固めて乱の隙をうかがっていたトプスが、急に防御を解いて乱の右手をつかんだ。
しまった。そう思ったときにはもう遅い。
乱の身体は宙を舞い、激しく地面にたたきつけられていた。

「ガ・・・ハッ!?」
「おいおい、ギブアップするには早すぎるぜ、お嬢ちゃん?」

すると今度は逆方向に投げ飛ばされ、再び地面にたたきつけられる乱。
ダメージに悶える間もなく、乱は何度も何度も投げ飛ばされて地面にたたきつけられた。
全身を砕かんばかりのばかりの激痛が、たたきつけられるたびに乱の身体を襲う。
このままでは全身の骨を砕かれ、クラゲのようになってしまう――。
そんな恐ろしい想像に身を震わせた乱は、たたかれる激痛に耐えつつ何とか自分の右手をつかむトプスの手首を握る。

「むっ・・・!?」

トプスが驚いたように声を上げるがもう遅い。
腕をつかんだ乱は力任せにトプスの腕を握り締めた。
その瞬間、トプスの顔色が明らかに変わった。
顔を青くしたかと思えば、今度は真っ赤になって何かに耐えるようにその動きを止めた。

「ぐ、ぐぐっ・・・!ぐうぅっ・・・!?」

見れば乱の右手をつかむトプスの手首から先が、青紫色に変色している。
乱の左手がトプスの手をつかんでいるせいで、鬱血しているのだ。
しかし事態はそこで留まらない。
やがて攻守逆転したトプスの手首から、ミシミシと何やら嫌な音が聞こえ出したのだ。
そんな中、地面にたたきつけられたままの体勢で乱が非情な宣告をした。

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