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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 237

「大丈夫でしょう。一応コイツらも怪人ですし。
 それよりこれからどうさいますか?
 名乗りを上げた以上、この場にいては敵は増えるばかりかと思われますが・・・」

あれだけの人数を轢いておいて、ケイロンは気にした様子もなく話題を切り替えた。
こういうところを見ると、啓太は彼女らが凶悪犯罪の代名詞だと言われる存在であることを改めて実感する。
だが啓太にはこれだけの人数を手当てする時間も技術もない。
ここはケイロンたちが手加減してくれたと信じて、これからのことを考えるしか、啓太に選択肢はなかったのである。
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「な、なんなんだこいつ……」
スタン・アックスで次々と怪人を沈めていった乱だが予想外の相手に攻めあぐねていた。
その相手はスタン・アックスの電撃をものともせずに柄を掴んで止めたのだ。
「武器持ちなんざその程度の力しかねぇよな。そんなんで俺の相手が務まるわけねぇだろうがぁ!!」
強烈な電撃に晒されながら、三本角の怪人がボディーブローを繰り出す。とっさにスタン・アックスを離して間合いを取る乱。
ザウルスペクター一のタフさと怪力を持つファランカー・トプス。それが今、乱と対峙している怪人の名だ。
そのトプスのモデルとなったのは恐竜重戦車の異名を持つトリケラトプス。異名に恥じぬ突撃で空いた間合いをトプスは詰めようとする。
「おおおっ!!」
雄叫びと共に迫るトプスと乱ががっちりと両手を組む。両者共に一歩も動かない。全く静止した状態で互いの力が拮抗する。
「てめぇ、武器持ちの軟弱かと思ったらやるじゃねぇか」
「そりゃどーも。けど、オレの力はこんなものじゃないぜ」
にやっと口の端を吊り上げるトプスと乱。だが、乱の両腕の筋肉がますます肥大化し、拮抗していた力が乱に優勢へと働く。
「へっ、そうかい。けどなぁ……」
ふとわざと力を抜いて乱のバランスを崩させる。加えて、空いた両脇に角が差し込まれ、そのままトプスは乱を上へと放り投げる。
「これでおだぶつだぁ!!」
自らも追う様に飛び、乱が逆さになった状態で両膝で頭を固定し、乱の両足を両腕で締め付けて固定する。そのまま落下して、地面に激突する。
「自慢のホーン・ドライバー。その身で味わった事をあの世で自慢しな」
勝利を確信したかのように言うトプス。だが、アスファルトに激突したにも関わらず、乱は立ち上がる。
「くぁ〜、今のは結構効いたぞ。けど、今度はこっちの番だ!!」

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