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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 232


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そして舞台のスポットライトは、再び啓太に当てられる。
正義の味方であるヒーロー、それも怪人らしき何かの惨殺シーンを見てしまったにも関わらずに格好いいこところを見せてくれた啓太。
だが内心は恐怖と不安でどうにかなりそうだった。
下手をしたら死ぬかもしれないような、危険な体験はこれまでにも何回か経験済みだ。
しかし実際に命を賭けて戦うのはこれが初めてだ。
訓練こそしていたが、いざ命のやり取りとなるとまるで勝手が違うようで、啓太は平静を装うので精一杯だった。

(こ、こえぇ〜!?な・・・何だよ、このプレッシャー!
 これが相手を殺そうとする人間の気迫なのかよ!?
 オレ、こんなのマジで相手できるのか!?)
(落ち着いてください、啓太様。今の啓太様には私たちがついています。
 啓太様だって彼らとやりあえるだけの特訓はしてきています。
 これだけの殺気を前にして、立っていられることが何よりの証ではないですか!
 どうかご自分を強くお持ちください・・・!)

啓太の動揺に、体内にいるパラサイトが強く励ます。
実際啓太はこのモーリーとやりあう武器(能力)をすでに持っている。
身体を動かす訓練もしているし、後は精神面の問題だけなのだ。
緊迫した空気の中、最初に動いたのはヒーローのモーリーだった。

「スーパー・モーリー・キイィ〜〜〜ック!!」

1対4(実際は5)で不利な立場にあるモーリーは、先手必勝+悪の根を絶つため、啓太に狙いを絞って初っ端から必殺技で攻撃してきた。
薄く黄金色に輝く必殺の蹴りが啓太へと迫っていく。
啓太はその恐怖からすばやく右手に盾を形成して攻撃を受け止めようとするが。

(啓太様っ!違います!真正面から受け止めるのではなく、角度をつけて受け流すんですっ!)

バカ正直に防ごうとする主人に、パラサイトがすばやく指示を送る。
その言葉に訓練の感覚が蘇った啓太は、言われるままに身体ごと盾の向きを変えていく。
次の瞬間。重い衝撃が盾に響く。モーリーのキックが当たったのだ。
予想以上の衝撃に啓太は思わずうめいてしまう。

ガガガガッ!!

「っぐ・・・!?」
(落ち着いて、啓太様!そのまま力を受け流すんです!)

激しい衝撃に吹っ飛びそうなのをこらえながら、ひたすら耐える。
わずか1秒が恐ろしく長く感じられる。
だが気を抜けばその場で死と信じて疑わない啓太は、必死になって攻撃を防ぎ続けた。
そして永遠とも思える短い時間を経て、ついにモーリーのキックの勢いが弱まり始める。
そこにすかさずパラサイトがアドバイスを加える。

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