PiPi's World 投稿小説

世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 223
 225
の最後へ

世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 225

そんな中、パラサイトは生まれたままの姿で啓太に抱きつくと。
パラサイトの身体がずぶずぶと啓太の身体の中に沈んでいく。

「うっ・・・く」

パラサイトが自分の身体の中に入っていく感触に、啓太はむずがゆいような、気持ちいいような複雑な気持ちになって思わずうめく。
そして2つのシルエットが1つになったとき、パラサイトの姿はどこにもなくなっていた。
パラサイトが啓太に寄生したのだ。
その証拠に、啓太の右手はパラサイトの入った胸元を押さえているのに対し、左手は何かを確認するかのようにグーとパーを繰り返している。

(―――オールグリーン。問題ありません、啓太様。
 それではいつものように普段はサポートに徹し、いざというときはこちらで対処させていただきます。
 よろしいですね?)
「ああ、よろしく頼む」

頭に直接聞こえてくるパラサイトの声とやり取りを済ますと、残りの面々の役目を確認する。

「それで?残りのメンバーはどうサポートしてくれるんだ?」
「ケイロンは啓太様の『足』、クロウは『翼』としてお使いください。
 クロウは目も利きますので、斥候としてもご利用いただけます」

イブの説明に、啓太はすぐに理解した。
彼女は2人を車や飛行機のように乗り物として扱えと言っているのだ。
確かに啓太の鎧は防御力を高めた分だけ、移動力が落ちる。
それを乗り物となる怪人で補おうというわけだ。
発想としては悪くはない。
が。啓太は馬に乗った経験なんてないし、空を飛んだこともない。

「・・・イブ。オレ、馬はおろか、空飛んだこともないんだけど・・・?」
「問題ありません、啓太様」
「移動中に啓太様のお手を煩わせるようなことはいたしませんし」
(私が影ながらサポートさせていただきますので、安心してご利用いただけます)
「と、いうことです。よろしいですか」
「・・・ハイ。ヨク、ワカリマシタ」

怪人たちの息の合った連携に、啓太はこれ以上ないくらい機械的な声で返事をした。
イブたちの連携の取れたセリフもさることながら、自分にはあまり頼らないと暗に言われているようで、少々心が傷ついたのだ。
だがいつまでも落ち込んではいられない。
啓太は思考を無理やり切り替えて、怪人たちに出撃を命じた。
いつもならここでへこむところであるが、今回ばかりはそうは行かない。

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す