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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 224

この話に情報部員は1にも2もなく食いついた。
何しろ何の後ろ盾もない下っ端怪人は、啓太と直接触れ合える機会なんてめったにない。
今アパレント・アトムには夢派・クロック派などという派閥ができつつあるものの、結局は啓太命な連中である。
そこを見事についた、雅の作戦勝ちというところだろう。
話の流れは自然だったし、クロックは現場の連中とのやり取りで雅の動きにまで目が行き届かない。
こうして啓太は自分の知らないところでいろいろな人たちに助けられながら、基地の出口へとひた走るのであった。
啓太は何とか自力で出口にたどり着いてから、待つこと10分。
どこの出口で待っていると決めてなかったはずのに、イブは啓太の立場と気持ちを慮り、最短最速で啓太のボディーガードとなる仲間を連れてきた。
増殖能力のある彼女だからこそなせる、奇跡のような話である。

「お待たせしました、啓太様。人選はこちらのほうでよろしかったでしょうか?」

かなりの大仕事だったにも関わらず、息1つ乱さぬイブが連れてきたのは3人の怪人。
1人目は寄生能力を持つ怪人、パラサイト・インベーダー。
啓太もよく知っている怪人だ。
啓太が鎧をまとう能力を手に入れたばかりの頃、戦う術を持たない啓太に代わってその身を守ってくれた、あの怪人だ。
そして2人目はパラサイト・インベーダーを連れてきた半人半馬のケンタウロスのような怪人。
馬の怪人で、名前をケイロン・ケンタウロスと言う。
馬となった下半身にパラサイトを乗せていることからわかるように、俊足だけでなくかなりの力持ちの怪人だ。
そして最後の3人目。それは漆黒の翼と髪を持つ、鳥の怪人であった。
彼女の名前はクロウ・エビルバード。カラスの怪人である。

「パラサイト・ケイロン・クロウ。
 これが私の選んだ啓太様のボディガードでございます」
「・・・ん。ありがとう」

連れてきた3人の怪人とともに深々と頭を下げるイブに、啓太はねぎらいの言葉をかけた。
なぜ彼女が数ある3人の中から、彼女たちを選んだのかはわからない。
だが啓太はそれでもイブの判断を信じた。
彼女が戦いの方面では自分よりはるかに優れていると知っていたから。

「それでは啓太様・・・」
「うん、よろしく頼む」

パラサイトの言葉に、啓太は何のためらいもなく上を脱いで少しながらも筋肉のついた上半身をあらわにする。
それに対し、パラサイトもぽんぽん服を脱いであっという間に全裸になる。
別にHするわけではないのに、異性の全裸を見るとどうしてもそっち方面のことを考えてしまう。
悲しい男の性に、啓太はちょっと恥ずかしくなってしまう。

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