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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 222


「・・・〜〜〜ッ!」
「・・・!?・・・!」

してやられたエレメンタル・ガーディアンの3人。
だがいきなり身動きを封じられた朱鷺・蒼・みどり、そしてイブの4人は訳がわからない。
何とか自由を取り戻そうと無駄な足掻きをしながら、事情の説明をしてくださいと目で訴えていた。

「あ、ああ、悪い悪い。あの3人を出し抜くにはこれしかなかったから・・・」

混乱のきわみにある4人に謝罪しながら、啓太はイブの拘束を解いた。

「『動いていいよ、イブ』」
「・・・ふう。理由は大体見当つきますが、できればもうやめていただきたいですね」
「努力するよ」

啓太は苦笑しながらそう答えると、いまだ固まったままの朱鷺たちに近づく。
次はあの3人を解放する・・・とか思えばさにあらず。
啓太は申し訳なさそうな顔を浮かべてこう言った。

「ごめんね、3人とも。悪いけど3人はもうちょっとそのままでいてもらうよ」
「・・・!?」×3
「いや、解放したとたんに騒がれても困るし。
 ほら、朱鷺はおしゃべりだし、蒼はすぐパニくるでしょ?
 3人で1セットだし」
「・・・!・・・!!」×3

声にならない声を張り上げて騒ぐ3人。
十中八九、抗議や非難の叫びを上げているのだろう。
啓太としても悪いとは思うのだが、ここで騒がれて捕まるような事態は避けたい。
啓太は心を鬼にして、視線をメイド見習い3人組からエレメンタルの3人に移した。
動けないながらも主人の意図を見抜けなかった不明を恥じる3人。
その顔には無念や後悔を浮かべつつも、お仕置きに期待する歓喜なども見え隠れしている。
だが啓太としては相手する気もなければ、そんな時間もない。
啓太は要件を済ませ、さっさとこの場を後にすることにした。

「悪いな。オレはどうしても夢たちを守りたいんだ。
 『1時間くらいしたら、3人とも好きに動いていい』からな」
「・・・っ!」
「イブ、オレはこれから地上に行く。
 オレがここを出るまでにボディーガードを数人、ピックアップしておいてくれ。
 どうせ夢たちのことだから、オレの援護ができるような連中を集めているんだろ?」
「・・・かしこまりました。では報告もそのときに」
「ああ。よろしく頼む」

そう言うと啓太は出口に向かって歩き出す。
途中で警備のカメラに引っかかるかもしれないが、たぶん大丈夫だろう。

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