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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 221


その言葉に、司令室に行くと見せかけて脱走する気だと予測したメイド3人。
しかしその予測はものの見事に裏切られた。

「マイ!マヤ!マリア!司令室に連絡して、イブを報告役としてこっちに来るように言ってくれ!
 さもないと、また戻っておまえらの仕事の邪魔をしてやるぞってな!」
「・・・かしこまりました」
(ねえねえ、これってもしかしてイブを使って逃げ出そうって魂胆?)
(かもしれません。ともかく今は気を引き締めましょう・・・!)

マリアが代表してクロックに連絡すると、目を離さないことを条件に、啓太の要望はあっさり通った。
まだこの時点で啓太が何を考えているか、わかっているものは誰もいない。

『啓太様。状況の報告にやってまいりました』

まもなくして、イブが現状報告のためにやってきた。
すると啓太は待っていましたとばかりにイブを迎えに行った。
もちろんドアを開けた瞬間に逃亡しないよう、マリアたちはさりげなく移動している。
そして啓太がイブを部屋に入れようと、ドアを開けたそのときだ。
啓太が待ちに待った、そしてマリアたちの予想だにしない人物がマリアに向かって突っ込んでいった。

「キャッ!?」
「マイ様〜っ!私たちを無視してご主人様と一緒だなんてずるいです〜っ!?」
「と、朱鷺!?」
「蒼!?あ、あなたたち一体何を・・・!?」
「何を言ってる朱鷺っ!?も、申し訳ありません、マヤ様っ!!
 こ、こら、早くマリア様から離れないか、みどりっ!?」

入ってきた乱入者の正体は、彼女たちエレメンタル・ガーディアンの部下、朱鷺・蒼・みどりの見習いメイド3人衆であった。
実はこの3人、この状況下で役に立たないだろうとマリアたちから待機命令を出されていたのだが、まだ教育が済んでなのか、幼さが抜けてないのか。
命令を破って勝手に師の元に駆けつけてきたのだ。
そしてそれは、啓太が待ちに待った瞬間でもある。
マリアたちがそれに気づいたときにはもう遅かった。

「あ!?」
「ッ!?」
「しまっ・・・!」
「『全員、動くな』っ!」

その瞬間、その場にいた啓太以外の怪人が、雷に打たれたように動きを止める。
啓太の強制命令権が発動したことで、マリアたちはその動きを封じられてしまったのだ。
声を出そうにも、よほど強い力を行使したのか、声すら出すことができない。
啓太が初めて怪人を出し抜いた、その決定的瞬間であった。

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