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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 217


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「はははっ!すごい!すごいよ、プテラ!」

主賓の集まりつつあるパーティに、レックスは心底うれしそうに諸悪の根源をそう褒め称えた。
今、三方町は彼らザウルスペクターの望む状況になりつつある。
町にあふれた怪人は次から次へと共食いした結果、弱小怪人は淘汰され、肉体的にも精神的にも優れた、強いものだけが残りつつある。
こうなれば後は入れ食い状態。
ザウルスペクターの怪人たちは思う存分、命がけのケンカを楽しむことができるだろう。
その時、恐竜怪人たちの何人かが、辛抱たまらんと言わんばかりに戦場へと駆け出した。

「あーッ!?ずる〜いッ!?抜け駆けなしって言ったのにぃ〜ッ!?」

一度抜け駆けが起こるともう止まらない。
あとは雪崩となって次々と戦闘狂どもは戦場へと駆け下りていく。

「あ〜もうっ!どいつもこいつも、協調性のない・・・っ!?」
「これだけ楽しそうなモノを見せられて、我慢しろと言うほうが無理だろう。
 何、問題はない。獲物をとられる前に獲物を殺せばいいだけだ」
「・・・それもそっか。じゃ、ボクらも早く行こう!
 今日もたくさん獲物を狩るぞぉ〜!!」
「残念だが今回のMVPは私がもらう。
 おまえは少ない獲物で我慢するんだな・・・!」

恐竜怪人たちの参入で戦いはさらに激しく、混迷を深めていく。
夢たちはあの戦闘狂と正義の味方相手に、うまく立ち回ることができるのだろうか・・・?

――――

決戦の部隊が整いつつある中。
この物語の主人公は、安全な司令室で落ち着きなくイスのまわりを歩き回っていた。

「う〜〜〜っ・・・。う〜〜〜んっ・・・!」
「啓太様、落ち着いてください」
「そうですよ、夢様たちもケガすることなく、無事に作戦を進めておられるではありませんか」

そばに控えるエレメンタル・ガーディアンが主人を諭すが、啓太の気はまるで晴れていない。
むしろ情報部からの連絡を聞くたび、不安が広がっているような気さえする。
それもそのはず、啓太が気にしているのは夢たちのことではなく、町の様子そのものだったからだ。
最初は夢たちのことが心配でたまらなかったものの、連戦連勝の報告にいつしか別のことを心配するようになったのだ。
夢たちにボコボコにされて搬送されてくる、バトルロイヤルの敗者たち。
そのやられっぷりがかなりひどく、敵ながら命の心配をしてしまうこともしばしばだったが。
搬送されてくる敵組織の怪人の数を見ているうちにまた違う不安を啓太は感じるようになっていた。

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