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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 214

「随分と遅かったな。流石、将来を期待された奴らは重役出勤気取りか?いい気なものだな……」
挑発気味に軽くルシフェルが鬼瓦達を探るように睨む。淵の広い帽子から底知れない不敵な鋭い目線が鬼瓦達に突き刺さる。
「貴様、何者なんだ!!」
その挑発にあっさりと乗るジャスティス・エクスキューショナー。紫も挑発には乗っていないものの警戒をするかのように動けるように構える。
「さあな。ひょっとしたらお前達が狩ろうとしている怪人かもしれんぞ?」
にぃっと口を歪ませるルシフェル。それはまるで意地悪な問いかけを楽しんでいるかのように。
「なら、我が秩序のために消えてもらおう!!」
大砲を構え、放とうとするエクスキューショナーにルシフェルは怯えもせずに平然としている。エクスキューショナーの指が引き金を引かれようとして……
「たわけが……遅い」
エクスキューショナーの目の前からルシフェルの声がした。構えて、引き金が引かれようとした隙にスライディングでルシフェルに近づかれていたのを気づかずに。
そのままルシフェルはエクスキューショナーの太ももを足場にして跳ね、首に両足首をかける。さきほどの戦車型怪人にも掛けたフランケンシュタイナーだ。
バランスを崩され、投げられるエクスキューショナー。だが、地面に叩き付けられる寸前にルシフェルは膝を曲げ、脳天ではなくエクスキューショナーは背中から地面に叩き付けられる。
「がはっ!!」
一時的に肺の中の空気が強制的に吐き出され、溜まらずにエクスキューショナーは咳き込んだ。
「こんなのが将来を期待されているとは……がっかりだな。本来なら脳天から叩き落している所だが、背中にしてやったんだ。ありがたいと思え」
「そういじめないでくれ。こっちはいろいろあって大変なんだ。それに怪人というのは嘘だろう?」
警戒を露にしていた紫が攻撃しようとして鬼瓦は手で制する。
「下手な言い訳だな。確かに怪人と言うのは嘘だが、私が偶然休日でここに居てなければどうなっていたと思う?事が起きる前に芽を潰しておくべきだったな。ゴルディーアース……いや、鬼瓦」
「それに関しては申し訳ない」
「大体、こちらはせっかくの休日を台無しにされたんだ。休日手当てぐらい出してもらえるだろうな?むしろ、寄こせ」
「貴方!!こんな時にそんな話を持ち出して!!何様のつもりなの!!」
流石の紫もルシフェルの言い方に非難する。
「何様?私は私だ。私のやりたいようにやる」
だが、紫の非難もルシフェルにとっては暖簾に腕押し、柳に風と言った風だ。

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