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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 22

眠っている怪人は蚊の怪人清水桐(しみず・きり)、羊の怪人宵ノ口枕(よいのくち・まくら)、鹿の怪人山之辺柾(やまのべ・まさ)の3人。
3人とも地上で問題を起こして本部勤務に戻されたはずの前科つきの怪人である。
それを見て桜は悟った。

「し、しまった・・・。まさかこんなにも早く『夜這い組』の連中が動いていただなんて・・・!」

地下では何事もなく平和だったために油断してしまっていた彼女は、かわいがってもらう機会を完全に逃してしまったのである。
実はアパレント・アトムでは通常敷かれているポイント制とは別にあるイベントが啓太の知らないところでこっそりと行われている。
そのイベントの名前は夜這い。啓太の愛情に飢えた怪人たちが徒党を組んで啓太に抱いてもらおうとするバトルイベントである。
普通、組織でこんなことをすれば厳罰か懲戒免職ものであるが、啓太の組織では実戦経験を積ませるのにちょうどいいということで公認されている。
本部では当番制で、啓太に夜這いをかけようとする不埒者を成敗することになっているのだが・・・。
たまにこうやって警備の網をかいくぐった勝者たちが、一晩かけて啓太と甘い一時を過ごすこともある。
もし夜這いが成功すればお咎めは一切なし。
その代わり啓太防衛に失敗した警備の連中は報酬のポイントをもらえないばかりか没収・特別カリキュラムの受講などの厳しいペナルティを受けなくてはならないのである。
おそらく岬も、自分と同じように啓太とHしに来たのだ。
しかしそこにはすでにあの3人が啓太にかわいがられており、彼女はそのおこぼれをあずかることしかできなかったのであろう。

「・・・わかってもらえた?ぼくの気持ち」
「ええ・・・!これ以上ないくらいに・・・!」
「とりあえずお酒でも飲む?」
「うん・・・っ!」
「・・・今晩はとことん付き合うよ」

そうして規律を守りながらもエサにありつけなかった敗者たちは、岬の部屋で酒を飲みつつ涙にくれたのであった・・・。

――――

さて、今までは一宮桜を通じて、組織の最大のポイントを見ていただいた。
今度は啓太の1日をご覧になっていただこう。
ちなみに今回ご案内するのは、エレメンタル・ガーディアンの一件が片付いて数日後の話である。

ドッ・・・コオォォオォーン!!

啓太の1日は、まだ本人の目覚めていない時間、場所で始める。

「行けーッ!!今日こそ啓太様のご寵愛を賜るのだぁーッ!!」
「舐めるな、変態怪人どもぉッ!?
 我々啓太様防衛戦線がそう何度も突破されると思うなよぉ〜ッ!?」

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