世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 21
そのため怪人たちはポイントを使って自分を磨きつつ、啓太に近づこうと必死になって努力しているわけである。
「ふむ。これくらいの上納品なら・・・これくらいかな。
これからも組織のため、啓太様のためにがんばってくれ」
「はい!ありがとうございます!」
おっと説明している間にポイントの清算が終わったようだ。
思った以上のポイントがもらえたようで、ほくほく顔だ。
(うふふっ♪思った以上にポイントをもらえてラッキーだったわっ。
これなら念願のお店を建てるのもそう遠くないかもっ♪)
桜たち非戦闘型の怪人はこうして内政や資金稼ぎに力を注ぎ、戦闘型の怪人は再改造を受けたり武器を入手したりして自分を磨くのが主流である。
いつもより多くポイントをもらえた桜は、今晩はたっぷりかわいがってもらおうと、余分にもらったポイントで啓太とのHの権利を購入する。
そしてチケットを片手に、鼻歌混じりに啓太の部屋へと向かっていった。
ピンポ〜ン♪
チャイムを鳴らし、啓太が手で来るのを待つ。
そしてついに待ちに待った最愛の主の住む部屋の扉が開かれた。
カチャッ・・・。
「ん〜?桜ぁ〜?」
その瞬間、期待と幸福に胸を膨らませていた桜の表情が、一瞬にして強張る。
出てきたのは長野岬。桜と同じく、このマンションに暮らしている虎の戦闘型怪人である。
しかし彼女が驚いたのは、部屋を間違えたとかなんで啓太の部屋から女怪人が出てきたとかそういったことではない。
桜は岬を見るなり、いきなり彼女を突き飛ばして自分も部屋の中に入り込む。
「みっ・・・岬っ!あああアンタ、何、全裸で出て来てんのよっ!?
アンタ、『男役』でこっちに来てるんでしょっ!?」
そう、男としてこのマンションにやってきた岬は、その身に何一つまとわずに桜を出迎えたのである。
当然、普段はサラシや肉襦袢で隠されている豊満な乳房がプルプルと震えていた。
「いたた・・・い、いいじゃないかよ。
ここにはぼくら、アパレント・アトムの怪人しかいないんだしさぁ」
「何言ってんのよ!?どこで誰が見てんのか、わからないのよ!?
『どんなときも啓太様にご迷惑をかけるべからず。
これを破ったものは厳罰に処す』って地上派遣前のカリキュラムでも言われてたでしょーがっ!?
もしこんなところを誰かに見られたらっ・・・!?」
そこまで言って、桜はふとあることに気づく。
組織の良心とも言うべき主の啓太が、岬のこんな暴挙を見逃すだろうか、と。
イヤな予感がした桜は、岬のことなどすっかり忘れ、あわてて部屋の奥に走っていく。
するとそこには・・・。
「ちう・・・ちう・・・。啓太様ァ・・・♪」
「Zzz・・・。啓太ぁ・・・」
「スー・・・スー・・・」
そこには肉布団状態で、啓太に添い寝している3人の怪人の姿が。