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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 209


乱はカラカラと笑いながら、初めて扱う武器というものに使い勝手の良さを感じていた。
それは出撃前、開発部部長マジカル・バニーから与えられたものである。
考えるより先に手が出るタイプである乱は、自分には武器が不要と断っていたものの、バニーの押しに負けてやむなく持ってきたのだ。

「最初ぁ、こんなおもちゃ使えねえとばかり思っていたが、いざ使ってみるととんでもねえ。
 バニーの口車に乗ってよかったよかった♪
 この調子で大活躍すれば、ご主人様としっぽりと・・・♪」

乱が大量のポイントを稼いで啓太といちゃいちゃする妄想にふけっていたその時。

「クカアアァァッ!?」

彼女の不意をついて、ガラスの怪人が透明な槍と化した右手で反撃に打って出たのである!
どうやら身体が絶縁体であるガラスでできていたおかげでオウム怪人ほどのダメージは受けなかったらしい。
だがこのときガラス怪人は気づいていなかった。
だがラッキーだったのはガラス怪人ではなかった。
ラッキーなのはむしろ、動けずに倒れているオウム怪人のほうだったのだ。

バキィッ・・・!
ガラス怪人がそれに気づくより早く、斧を持ったままの乱の右拳が顔面にヒットする。
そして殴られた勢いのまま、まるで川の上を飛び跳ねる小石のように地面を転げまわった。

「・・・ッ!?・・・・・・!?」
「なんでえ、気絶してなかったのか?・・・まぁいいや。
 効かねえなら効かねえで、使わなきゃいいだけの話だもんな?」

そう言って乱は何のためらいもなく斧を捨てると。
全身の筋肉を肥大化させて戦闘準備を開始する。
何が何だかわからないガラス怪人はただただ混乱するばかりだ。
その様子があまりにもこっけいだったのか、乱は歓喜と悪意丸出しの表情で一言。

「つくづく運のないヤツだな」

ガラス怪人がその意味を理解したとき、自慢の透明なボディはあちこち欠けて全身ヒビだらけ。
100人見れば100人とも再起不能とわかるような、そんな身体にされて地面に転がっていた。
いったいガラス怪人が乱にどんな責めを受けたのかは、読者諸君の想像にお任せする。あまりにもむごすぎる惨状ゆえに。

――――

ギャリリィンッ!

「ひぃッ!?、また来たぁッ!?」
「くそっ!?敵は一体どこにいるんだッ!?」

一方。別のところでは重火器を装備した、他組織の動物型怪人たちが戦っていた。
いや・・・それは戦いではないのかもしれない。
何しろ彼らは、敵がどこに何人いるのかさえわかっていない。
一方的な攻撃、一方的な蹂躙の限りが行われていた。

ギャリリィンッ!

「ぐわッ!?」

甲高い金属音が聞こえたかと思うと、瓦礫や障害物の隙間を縫って刃のついた金属板が列を作って何枚も飛び出してきた。

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