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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 208


「は、はは・・・お手柔らかに、な・・・」

と乾いた笑いを浮かべてそれだけ言うのが精一杯だった。
その後乱たち警備部・作戦部合同による鎮圧作戦は即座に実行された。
その向かう先で、自分たちにいかなる運命が待っているか知りもせずに・・・。

――――

「キョオオォォォッ!!」
「ガアアァァァッ!?」

オウムの頭をしたマッチョな怪人が透き通るようなガラスの巨人と取っ組み合う。
見るからにパワー型の2人であったが、少しずつオウムの怪人がガラスの怪人を圧倒していく。
このまま押し切って終わりか?そう思われたその時。

「キュイイィィィッ!?」

突然優勢だと思われたオウム怪人が、悲鳴を上げて吹っ飛んだ。
見れば羽毛で覆われた胸元に透明な杭が刺さって真っ赤に染まっている。
どうやらガラスの怪人が身体のどこからか発射したものらしい。
しかし派手に吹っ飛びこそしたが、羽毛のおかげで致命傷にはならなかったらしい。
オウム怪人は怒りの雄叫びを上げてガラス怪人に反撃を試みる。
それに対し、ガラス怪人は両手を刃物のように変化させて迎撃の姿勢をとる。
そして展開される激しい戦い。
しかしこの程度の戦いなどまだましなほうで、この三方町のそこかしこで行われている。
ひどいところではあたり一帯を猛毒で汚染したり、絨毯爆撃のような火力で1区画ごと怪人を殺したりする光景が展開されていた。
だれかこの町で暴れまわる怪人たちを止めるものはいないのか―――?
そう思われたその時。

「おっとそこまでだよ、お2人さん」
「「!?」」

突然聞こえてきた女の声に、2人の怪人は争いをやめてきょろきょろとあたりを見回す。
しかしあたりには人影らしいものが見当たらない。
一体どこにいるのか?そう思われた次の瞬間。

「どこ見てやがるんだ、このボケナスどもぉッ!?」

上空から大きな斧を振りかぶった乱が、大声を上げて降ってきた。
オウム怪人たちが乱に気づいて頭上を見上げた瞬間、斧が振り下ろされて閃光が走る。
光が消えたときにはバチバチと放電しながら倒れるオウムとガラスの怪人2人と、斧を地面にたたきつけた姿勢で固まっている乱の姿があるだけだった。
乱は地面から刃先の光る巨大斧を引っこ抜くと、ひょいと肩に担いで勝利の笑顔を浮かべた。

「かっかっか、お2人さん、自分の世界に入っちゃダメよ?
 油断してるとオレの新兵器『スタン・アックス』の餌食になっちまうぜ?」

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