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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 204


「いいんですか?あなたの連敗記録がまた伸びることになっても?
 あなた、私との訓練で勝てたことは一度としてありませんでしたよね?」
「ンだと・・・ッ!?」
「あわわッ!?み、みなさん、やめてくださーいっ!?」

一触即発の状況を察知した、高校生くらいの若い少年が止めに入ろうとしたその時。
彼より一瞬早く黒い影が2人の間に割って入った。
「がっ!?」
「何をする?サンダーボルト!」
割り込んだ黒い影に向けて、両名が叫んだ。
黒い影−サンダーボルト−は、両手を2人の顔面に向けて、言った。
しかも両手からは電気火花がバチバチ飛んでいる。
「味方喧嘩はやめて欲しいの。」
黒い影からは、年頃の少女の声。
黒いロングヘアーに、真っ黒の学生服。
頭からは、小さな角が2つ。
可愛く整った顔は、今は厳しく引き締められ、強い圧力を放っていた。
背丈は160cmくらいか。年齢も16歳くらい。
女の子なのに着ている学生服はビシッとキマっていて、程よく育った胸が学生服を少し張り出していた。
そこに、出遅れた少年も割り込む。
「サンダーボルトさんの言うとおりですよ。僕たちが争って何になるんですか?」
「んだぁ?お前ら割り込むんじゃねえよ!」
ジャスティス・エクスキューショナーはなお意気軒高だ。
「・・・・・・。やめておこう。ここはサンダーボルトが正しいようだ。」
翔影は矛を収めるつもりのようだ。
しかしそれは決して青年の言い分を聞いたわけではない。
エクスキューショナーの近くで、とてつもない殺気を含んだ視線でこちらをにらみつける存在があったからだ。
漆黒のバトルスーツを着て、すでに臨戦態勢を整えている人物の名前はエルカイザーと呼ばれていた。
それはかつて独断で啓太たちを襲撃し、返り討ちにあった男の後を継いだ、2代目となるヒーローであった。
しかし正義の味方である彼から発せられる殺気は、正義の味方どころか、仲間に向けるものとは思えない。
おそらく、まだこの茶番劇が続くようなら、本気で2人に襲いかかることだろう。

「・・・チッ!」

悪党との戦いでならまだしも、仲間・・・それもこんなヤバい感じの相手に殺されるなんてシャレにならない。
エクスキューショナーもしぶしぶといった様子で矛を収めた。
新部隊とは思えぬまとまりのなさと危うさに、鬼瓦警部は思わずため息を漏らしてしまう。

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