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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 20

「うっわ〜・・・。相変わらずすごい量の上納品の数ね〜」

同じマンションに住む仲間が、桜を見つけて声をかける。
それに合わせ、何人かの仲間も集まってきた。

「さすがは地上に派遣された非戦闘型でも、トップクラスの稼ぎ頭。
 ぽっと出の私じゃとてもかなわないわ〜」
「う〜、かなりうらやましいかも・・・!」
「そんなことないわよ、桃の働いているファミレスだって私の耳にも入るくらい人気があるじゃない?」

かなり楽しそうな様子で盛り上がる怪人たち。
物騒な格好をした戦闘型の怪人たちがいなければ、とても彼女たちが怪人だなどと思わないだろう。
そんな中、ちょっと盛り上がりの様子が目に付いたのか、警備と思われる戦闘型の怪人がゴホンとわざとらしくせきをした。
それを聞いた桜たちはあわてて小声で話をする。

「ご、ゴメンね?私、これからコレの清算に行かなくちゃ」
「わかってるって。こっちこそ足止めしてゴメンね?」
「ううん。じゃ、またね?」

そして桜は仲間と別れ、近くの上納品受取所で今まで集めた品々を提出、検査してもらう。
ここで提出された品々は地上にいる怪人たちの生活費用のほか、ポイントと呼ばれる組織内で使われる、ある通貨に換金されて戻ってくることになる。
さて桜の検査が終わるまでの間、ざっと今の組織の経済状況とそのシステムについて説明させていただこう。
今、啓太の組織『アパレント・アトム』は世間を騒がせている野良怪人や悪の組織退治の他、本部で暮らしている怪人たちの内職や地上に派遣された怪人たちの稼ぎによって維持されている。
悪の組織つぶしは儲けはでかいが不定期なので、もっぱら地上派遣組の稼ぎによるところが大きい。
何しろ地上で働いている怪人のほとんどは愛玩用などを目的とした非戦闘型だ。
彼女らにとって商売、営業はまさに天職で、向かうところ敵なしであった。
もちろん、そんなことやっていれば変態、ストーカーなどの犯罪者予備軍の危険もあるわけだが、一般人が怪人を相手にかなうわけもなく。
今のところ何の問題もなく平和な(?)日々をすごしている。
さて次は先ほど出てきた『ポイント』というものについて説明しよう。
アパレント・アトムに所属する怪人には、給料の代わりにポイントと呼ばれるものが支給されている。
このポイントはその数に応じてさまざまな特典を手にすることができる。
例えば桜の場合、人間名の入手、地上への出入り、啓太のマンションに住む権利などにポイントを使って今の生活を手に入れている。
他にも武器の入手や肉体の再改造、啓太とのデート権やH権などと言うものもある。
内容によって必要なポイントも変わり、啓太との結婚や妊娠などをしようものなら途方もないポイントが必要となってくる。

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