世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 198
レックスライダーはふう、とため息を1つつくとティラノサウルスから人間へと形を変えてその場に寝転んでしまった。
「・・・退屈そうだな、レックス」
突然の声にレックスが何気なく視線を上げると。
そこには仲間のプテラナイトがレックスを見下ろしていた。
「ああ、プテラナイトか仕方ないだろう。
アパレントの連中こっちが仕掛けても来ないんだよ!!」
プテラナイトに気付いたレックスライダーは一気に愚痴をこぼした
レックスライダーが不満を漏らすのも仕方がない。
ザウルスペクターはアパレント・アトムを誘い出すために連中名義で毎日テロ活動にいそしんでいるというのに、彼らは一向に姿を現さない。
襲ってくるのは当の昔に決着のついた負け犬連合と、ザウルスペクターのホラをまともに受け止めるような弱小組織ばかり。
テロ活動にも飽きてきたところに雑魚が群がってくるとなれば、いいかげんいうんざりもするだろう。
「もーザコの相手はイヤだっ!もっと歯ごたえのあるヤツと遊びたいっ!」
まるで駄々っ子のように暴れながら、愚痴りまくるレックス。
その様子にプテラナイトはフルフェイスヘルムからでもハッキリとわかるくらい深いため息をついた。
一度こうなったレックスは、わがままを聞いてやらない限りテコでも動かない。
まぁプテラとしてもザコの扱いは飽きてきたところだ。
そろそろ次のステップに乗り出してもいいだろう。
「仕方ない。それでは次のステップに移るとしよう」
「も〜ボクは動かないよ〜だ」
「別におまえが動く必要はない。私1人で十分事足りる。
火薬庫に火種を投じるだけなのだからな」
「ふ〜ん?」
もはや好きにしろと言わんばかりに両手両足を地面に放り出すレックス。
プテラはそれに注意する様子もなく、そのまま言葉を続ける。
「それで連中が出てくればそれでよし。出なければヤツらごと町が1つ消滅する。
どっちに転んでも損はない。
おまえの退屈しのぎくらいにはなるだろう」