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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 197

「ふ、振るか愛しろってアンタ・・・」

そのあまりに極端な2択に啓太は返事に詰まる。
怪人とは言え、美人ぞろいのあの女たちを手放すなんてありえない。
仮に今手放したとして、また同じ目に合える可能性は100回生まれ変わってもあるかどうか。
かと言ってあの人数を全員同時に愛するって、いったいどこの王様だ。
あれだけ女怪人たちに手を出しておきながら、啓太はこの期に及んで人間の常識にとらわれていた。
もちろん啓太のそんな考えなどとっくにお見通しの雅は、そんな啓太の凝り固まった常識を突き崩すべく甘言で動揺を誘う。

「啓太。あれだけただれた性生活を送っておいて、今さら人間の常識にこだわるのか?
 おまえは人間社会と私たち怪人の裏社会の橋渡しをしようとしている人間なんだぞ?
 人間社会の常識ばかりにこだわっていいのか?
 私たち怪人のことを理解するためにあえて怪人の理屈に従ったっていいんじゃないのか?
 それともおまえは私たちとの関係をそんな簡単に斬り捨てることができるのか?」
「あ、う、ううぅ〜〜〜・・・ッ!?」
「ほら楽になってしまえ。それだけでおまえの人生はバラ色だぞ・・・?」

その言葉に、うなっていた啓太はがっくりと肩を落としてうつむいた。
雅の説得に啓太が落ちた瞬間であった。
そんな啓太に雅はにっこり笑って一言。

「よろしい。人間やっぱり素直にならないとな♪」

うれしそうに言いながら啓太にキスをする雅。
その様子に啓太は改めて目の前の女・・・いや、ここにいる女たちすべてが人間ではない存在だと認識する。
普通、まともな神経を持ち合わせていれば、間違っても浮気公認なんてしないだろう。
しかしいくら人間でないとは言っても女は女。
それも全部が全部極上モノの美人だ。
これを手放すことなんて考えられないのもまた事実。

(ああ、結局何だかんだ言ってオレもコイツらの色に染まってきているなぁ・・・)

複雑な心境で雅のキスを受け入れながら、啓太はそう思わずにはいられなかったのであった。
その時、啓太がザウルスペクターと戦うことなどすっかり忘れていたのは、彼がまだ『人間(一般人)』の部分が残っていた証だろう。

――――

その頃。隣町では今日もザウルスペクターによる無差別テロが行われていた。
暴れているのは1頭のティラノサウルス。レックスライダーだ。
しかし今日も好き勝手に暴れているというのに、表情が暗い。

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