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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 192

「んー・・・?なぁんかいろいろ溜め込んでたらしかったんでなぁ〜・・・。
 ちょっとだけ手伝ってやったんだよ。気にすんな」

くっくっく、と暗い笑い声を浮かべながら語る啓太。
だがいくら気にするなと言っても、これを無視しろというのは無理というものではないだろうか?
後ろの鈴と空は我慢できず、チラチラと哀れな犠牲者たちをのぞいている。
その様子に何かを理解した啓太は、床で悶え苦しむバ怪人の手を取るとずるずると引き摺って浴室に放り込んだ。
彼女らは啓太に手をつかまれたり身体が床をこすったりするたびに歓喜の悲鳴を上げてビクビクと痙攣する。
しかし啓太はそんなことなどお構いなしに次々と浴室に放り込むと、鍵をかけ近くのクローゼットや本棚などで厳重に出入り口を封鎖した。
そして何事もなかったかのように明るい笑顔を向けると一言。

「・・・悪かったな、変なもの見せて。アイツらは今日1日閉じ込めて反省させるから気にしないでくれ。
 そこのテーブルに座って待っててくれ。今コーヒーでも用意してやるから、さ」

部屋に入ったときとは別人のような態度に、鈴と空は呆然とする。
もしかして啓太は今までの特訓で、啓太によくない影響を与えてしまったのではないか?
その変貌ぶりに2人はそう心配せずにはいられなかったのだった。
しかしそんな啓太の豹変ぶりに不満そうな表情を浮かべる女がいた。
雅だ。彼女は一連の啓太の行動を黙って見ていたが、急に席を立つとつかつかと啓太の下に歩み寄った。
そして啓太の前に立つなり、

パシーンッ!

と1発啓太の頬をひっぱたいた。
使い捨ての道具である怪人が主人をたたくという不敬極まりない事態に鈴は卒倒し、空は気を失いそうになる。
一方たたかれた啓太はなぜ自分がたたかれたのか理解できずに呆然としている。
そこに再び戻ってきた雅の平手。1発だけでも衝撃だったのに、2発目をよけられるわけもなく。
啓太はクリーンヒットしたその一撃に、思わず身体をよろけさせるのであった。

「あ、すまん。1発だけにするつもりだったんだが。
 あんまり啓太が私たちの気持ちを考えてくれてないもんだから、もう1発たたいてしまった」

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