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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 190


そして啓太はある言葉を口にした。
それはこれから起こる、めくるめく快楽の世界への門を開いた瞬間だった。

――――

「・・・どう、空ちゃん?」
「うん、おいしいよ、お母さん♪これなら啓太様に喜んでくださるよ!」
「そ、そう?よかった〜!」

その頃。啓太が最後の訓練から戻ってきたと聞いた糸田親子は、疲れた身体を癒すためにおいしいスープを作っていた。
娘の太鼓判をもらって安堵のため息をついた鈴は、スープをトレイに乗せた皿に盛り付けると、さっそく啓太の部屋に向かった。
啓太に喜んでもらえるだろうかと期待と不安に胸を膨らませながら、歩いていると。
道中の十字路から見知った怪人が顔を出した。

「あら?雅様ではありませんか」
「ん?おぉ、鈴と空じゃないか。おまえらも啓太に会いに行くのか?」
「『おまえらも』・・・ってことは雅様も?」
「まぁ、な」

それは情報部を束ねる長、小森雅(怪人名リリス・ヴァンパイア)だった。
啓太以外には男がいないせいか、ハーフパンツにキャミソールという、何とも露出度の高い格好でちょっと恥ずかしそうに髪の毛をポリポリと掻いた。
断っておくが、雅がこんな格好をしているのは別に啓太を誘惑しようとか、そういう意図はない。
ただここ最近、ずうっとザウルスペクターの動きの監視しており、彼女はとても疲れていた。
そんな中、ようやく取れた短い休息に癒しを求め、啓太に会いに行こうとしていたのだ。
元一般人の啓太がいろいろ大変なように、怪人もいろいろとあるのである。
もっとも今は彼女らの向かう先が大変なことになっているようなのだが。

「でしたら雅様。せっかくですから一緒に参りませんか?」
「私たち、これからお疲れの啓太様のところに差し入れをお届けしに行くんです。
 雅様もご一緒にお召し上がりになりませんか?」
「ん、ありがとう。それではお言葉に甘えさせてもらうとしよう」

何も知らない彼女たちは和気藹々としながら啓太の部屋へと向かう。
道中で糸田親子から啓太の様子を聞きながら。
そして異変に気づいたのは雅が啓太の部屋の近くまでやってきたときのことだった。

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