世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 188
「で、今日はご主人様がお疲れのようなので、ご主人様が動かなくても気持ちよーくなれるご奉仕をして差し上げようかと思いまして♪」
「『思いまして♪』じゃねえっ!?お、おいマヤっ!た、助けてくれっ!?」
すっかり発情モードに入った面々の説得をあきらめ、啓太は1人書類の不備をチェックするマヤに助けを求める。
しかし啓太はまだわかっていなかった。
かつてはまともな正義の味方だったとは言え、今の彼女たちにまともな思考力があるわけないことを(←かなり失礼)
書類のチェックを済ませたマヤは、書類を片付けるとやれやれといった様子でイスから立ち上がる。
「あなたたち。何をやってるの?啓太様がお困りになられているでしょう?」
「ま、マヤ・・・!」
「そんな手ぬるいやり方で啓太様が満足されるわけがないでしょう?
やるならもっと激しく情熱的にやりなさい。こんな風に、ね・・・♪」
「んむぅッ!?」
次の瞬間、啓太はマヤに唇を奪われ、口の中に舌を挿入される。
舌が触れるだけでも感じるのか、時折ぴくぴくと反応しつつ啓太の口内を舐め回す。
窮地を救うジャンヌダルクが一転、アダムとイブを堕落させた蛇となったマヤにキスされて啓太はようやく思い出す。
エレメンタルガーディアンはどれもスケベで、特にクールに見えるこの女が1番ヤバいということを。
ああ、この組織に救世主はいないのか。
このままHになだれ込んでしまうのかと思われたそのとき。
思わぬ救いの手が差し伸べられることとなった。
あるいは騒乱の種が舞い込んだと言い直してもいいのかもしれないが。
「啓太様〜♪お身体の具合はいかがですか・・・ってああっ!?
あ、あなたたちっ!?私たちを差し置いていったい何をしているのっ!?」
そこにやってきたオート・バルキリーが、事に及ぼうとしていたバカメイドたちの乱行を目撃してしまったのだ。
ベンケイ・ウォールこと薙が暴走したときの1件以来、いろいろあって啓太といちゃつけなかったぶん、そのショックは相当だろう。
しかし啓太といちゃつけなかった、啓太命の幹部怪人たちは他にもいた。
「「「っ!!」」」
ガキ、ガキィンッ!
バルキリーの背後から黒い影が飛び出したかと思うと、それらはエレメンタル・ガーディアンめがけて襲いかかった。
それをいち早く察知した3人はどこから取り出したのか、それぞれ愛用の武器を取り出し、攻撃を防いだ。
そしてようやくあらわになった人影の正体は・・・。