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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 17


啓太は怪人思考で動く彼女らにもわかるように、言葉を選んで説明する。
さっきの反応を見る限り、彼女たちが自分から離れるつもりはないようである。
ならば後は彼女らの家族に任せたほうがいいと、啓太は判断した。
血のつながりのある家族の下で一般常識を1から叩き込まれれば、どっぷり浸かった怪人思考をまともに戻すことができるんじゃないかと思ったのだ。

「説得できるまでここには帰ってくるな。
 ・・・念のため言っておくが、暴力でごまかしたらその場で廃棄してやるからな!?」
「「「・・・ッ!」」」
「それはちょっと厳しすぎやしませんか、啓太様?」

啓太の厳しい処断に、今まで静観を決め込んでいた夢が待ったをかける。

「何だよ、オレの判断に不満か?」
「はい。今の彼女たちは正義の味方でもなければ、一般人でもありません。
 啓太様の組織に所属する怪人です。
 啓太様の下僕としての教育を骨の髄まで叩き込まれた彼女らが、すぐに一般人の生活を送れるとは思えません。
 ここは彼女らの家族にエレメンタル・ガーディアンの無事を教えながら、一般社会に復帰できるように教育を施していくべきかと思われます」
「・・・・・・」

その言葉に啓太が押し黙る。
確かに今の彼女らを見る限り、外に出してもまともな一般人の生活を送れるとは思えない。
数いる怪人の中でも、目の前の3人は特に淫乱で人間らしい考え方が欠如している。
ましてさっきは自分らが捨てられると勘違いして、殺してくれと懇願したり迫ってきたりする有様だ。
家族の下に戻しても、元の生活に戻れるとは・・・。
啓太はその場でしばし黙考する。
その表情は時間の経過とともにだんだん苦々しく重苦しいものに変わっていく。
よく見ればわずかに青ざめ、冷や汗が流れている。

「・・・っ。そ、そうだな。
 今の状態で家族に会わせるのは危険だな。
 夢、フレアたちが一般社会で生活できるように特別カリキュラムを組んでおいてくれ」
「かしこまりました」

こうして啓太は夢に言いくるめられ、エレメンタル・ガーディアンは一般社会で生活できるようになるまで家族との再会は見送りとなった。
夢は貴重な敵方の情報源を確保できたことに安心しながら、ちょっとだけこう思った。
自分の主人は一体どんな3人の末路を想像したのだろう、と。

――――

「・・・なるほど、結局アイツらは啓太様の許可で下りるまで管理下に置かれることとなったか」

ここは謹慎を命じられたクロックの部屋。
夢は啓太の組織『アパレント・アトム』のbRのクロックに啓太の決定を伝えに来ていた。
エレメンタル・ガーディアンの3人はあの後、夢の助言により一般常識を身につけるまで手紙による定期連絡を行うことで話は落ち着いた。
手紙なら足がつきにくいし、啓太が添削することも可能だからだ。

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