PiPi's World 投稿小説

世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 158
 160
の最後へ

世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 160

足のように凶器はついてなかったが、尻尾の一撃もかなり強力だ。
油断していると危ない。介錯丸はただの一撃で相手の実力をそこまで見破った。

「ストラグラーニクス、驚きました。
 スパイクファングの3連蹴りを食らって生きてるの、久しぶりです」
「は、驚くのはまだ早いぜ、お嬢ちゃん?
 さっきは不意をつかれてやられちまったが・・・。
 すぐにおもしろいモンを見せてやるからよ・・・!」

介錯丸はそう言うと、手にしていた刀を鞘から抜いて初めて迎撃の構えを取った。
長い刀身の切っ先を地面に向けた上段の構え。近づいたら一刀両断される。
そんなイメージをさせるような、すさまじい気迫を伴った構えであった。
斬奸刀術断罪流、断頭。それがこの構えの名前であった。
斬奸刀術とは悪を断つ正義の刃として創設された古流剣術とされており、時代の流れとともにいくつもの流派が生まれ、消えてきた。
介錯丸の使う断罪流も、そんな時代の流れの中で生き残ってきた流派の1つだ。
断罪流とは斬奸刀術の流派の中でも攻撃的な流派とされ、『いかなる悪も一刀の元に切り伏せる』ことを極意としている。
要するに悪党が核シェルターの中にいるなら、核シェルターごとぶった切ってしまえという、攻撃一辺倒の剣術なのだ。
その中でも断頭と呼ばれるこの構えから繰り出される一撃は特に強力。
自らを追い込んで背水の陣で挑むことで、敵を一刀両断する。
これを食らえば敵は確実に死ぬことだろう。

「・・・・・・」

スパイクファングもそれを感じたのか、すぐに突っ込むようなマネはせず、その場にとどまる。
両手をポケットに入れているのは相変わらずだが。
これで両者ともうかつに動けなくなった。そう思われた。

「「・・・・・・ッ!!」」

ダッ!

だが2人は示し合わせたかのように、同時に走り出した。
介錯丸はともかく、失敗の許されないスパイクファングには明らかに分の悪い勝負だが・・・?
だが彼は動きを止めることなく前進し、介錯丸の間合いに入った。
その瞬間、振り下ろされる断罪の刃。
決死の刃はスパイクファングに向けて振り下ろされ・・・そして空を切った。

「!?」

手ごたえはあった。彼のものと思われる鮮血も舞っている。
突然姿を消したスパイクファング。彼はどこに行ったのか?

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す