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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 157

ライオン顔の怪人は逃げようともしない。恐怖で身体が動かないのだ。
介錯丸はライオン顔に刀の切っ先を突きつけると単刀直入に用件を伝えた。

「オレがここに来るまでにいったい何があった?
 知っていることはすべて話せ。
 少しでもうそを言ったら、おまえの首を・・・刎ねる」

ドスの聞いた脅しは効果十分だった。
震え上がったライオン顔は、命惜しさに知っていることすべてを語り始めた。
それによると彼はこの付近に基地を構える悪の組織の一員らしい。
正確には一員だった。たった2人の襲撃を受け、壊滅してしまったらしい。

「おいおい、いくらおまえらが弱小組織だからって、たった2人につぶされるなんて弱すぎやしねーか!?
 今日び、そこらの戦闘員だってもっと強いぜ?」
「ば、バカにするなっ!?お、オレたちだってそれなりの実力は持ってる!
 でもアイツらの実力はそれ以上だったんだ・・・!」

どこで知ったのか、基地の入り口から堂々とやってきた2人組は、突然門番を殺し、破壊と虐殺を始めた。
もちろんライオン顔たちも基地の迎撃システムや徒党を組んだりしながら懸命に戦った。
しかし連中の強さは常軌を逸していた。
2人組はトラップや数の暴力をものともせず、破壊と虐殺の限りを尽くすと、何も取らずにそこから立ち去ったという。

「何だ、そりゃ?そいつら、何しにおまえらを襲ってきたんだ?」
「そ、それは知らない。ただ、連中は金や資材目的でないことは確かだ。
 わ、我々がさらってきた人間たちや機材もお構いなしに壊して回っていたから・・・」
「・・・で?おまえ、その連中がどこの連中か知っているのか?」
「あ、ああ。奴らは自分たちは『アパレント・アトムの怪人だ』とかうそぶいていたが・・・。
 オレたちの中で、あんな化け物を飼っている連中は1つしかない。
 奴らは間違いなくザウ」

ライオン顔は不自然なところで言葉を切った。
しゃべりたくてもしゃべれなかったのだ。
話そうにも、彼の頭はスイカのように砕けてしまっていたから。

「!?」

次の瞬間、ライオン顔の首なし死体から大量の血液が噴出して介錯丸の身体を赤く染めた。
突然の出来事に介錯丸は驚く。彼は話の最初から最後までライオン顔から目を離していない。
それなのに、彼はライオン顔に何が起こったのか認識できなかったのだ。
彼はライオン顔を殺した犯人を捜して周囲を見回す。
犯人はあっさりと見つかった。介錯丸のすぐ近くにある瓦礫の山。
そこに謎の2人組が彼を悠然と見下ろしていた。
2人の名前はストラグラーニクスとスパイクファング。
ともにザウルスペクター所属する戦闘型怪人であった。

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